A Happy New Year
白い指先はかじかんでいるのだろう赤くなっている。いつもより並ぶ位置を近くして、偶然を装い手をそっとつないだ。
古泉の手は案の定冷たかった。
でもこいつの手を俺が温めてやればいい。それは俺の役目であり恋人としての当然の権利だ。もちろんその権利は今後誰にも譲る気はない。
にっこりと笑いながら無茶をするこいつのフォローは俺だけができる。似合いの素敵カップルだろ?
幸せそうな笑みを浮かべて隣を歩く古泉は俺の幸せを具現化した存在だと思う。
だからな古泉よ、おまえは俺を幸せにするためにもっと幸せに貪欲になれ。おまえはそれくらいでようやく人並みなんだ。
まぁ俺ももちろん全力でおまえを幸せにするけどな。覚悟しとけよ。
口にするには小っ恥ずかしいことを心に誓いながら俺は古泉とつないだ手により一層力を込めた。
古泉の部屋に着いたらまずは今年最初の、新しいキスをしよう。込められる限りの古泉への想いを込めてな。
ALL HAPPY END
作品名:A Happy New Year 作家名:城生莓