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裏ふぁーすとでーと?

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「……真冬さんですか、本当に?」
確認するように大宮に再度問われて、黒崎は軽く苦笑すると、
「……そんなに私だってわかんない?
まあわかっちゃ困るんだけどさ」
そう言われて、改めてもう一度目の前の少年――に扮した黒崎を見つめる。
髪はかつらだろうがショートになっており、眉は少し太く描かれている。
いつものまるっこい目は不良時代のように細められていて、声は意識してか若干低めになっている。
改めてみるとそうたいしたことはしてないのだ。
が、ここまで完璧に美少年になるっつーことは……
「……真冬さんて顔立ちが中性的なんですねえ」
しみじみと大宮が呟く。
「? そうなの?」
意外そうに返されて、俺らは大きく頷いた。
「……まあ、女の子だからこそ美少年なんでしょうけど、見せ方によってはかなりの美少女にもなりそうですよね。真冬さん」
「――そうか?」
美少年はともかく美少女っつーのは無理ねーか?
「なりますよ。きっと
桜田さんだって可愛い系の美少年なんだからそれだけ美少女になってるんですし」
むぅ。俺がカワイイということには確かに異論はないが……
「……アンタ今失礼なこと考えたでしょ?」
ジト目で言われて、さっと目を逸らす。
いらんこと言ってまた殴られるのはごめんだ。
服が汚れても困るし。
ちなみに今日の俺の服装はオレンジを基調としたワンピースと茶色のブーツだ。
色としても黒崎と並んで歩いてもそう悪くないだろう。
「しっかし真冬さん、こっちの路線でいけば女性にもてもてなんてあっという間なんじゃないですか?」
「えっ! そ、そうかな?」
嬉しそうに――そりゃもう、ものすごく嬉しそうに問い返す黒崎。
……相変わらず女の子大好きなとこは変わってないらしい。
「ええ。女性は中性的な美人に弱いものですから、真冬さんのフェミニスト精神とあわせれは無敵だと思いますよ」
「え!
……いや、だめだ。この格好は滅多にできないし……」
一瞬顔を輝かせるが、すぐに考え直したように頭をふる。
「……なんか問題でもあんのか?」
俺が思わず尋ねると、
「……まあ色々とね……あー夏男にならなければ……」
「――夏男?」
――だれだ?
「ひょっとしてこの真冬さんの名前ですか?」
「――ああ、うん。いちおーね」
 なるほど。
「真冬だから夏男なのか? 安易だなー」
「うっさいなー。咄嗟にきめたんだから仕方ないっつーの」
不満そうに鼻を鳴らし、
「そーゆーアンタは名前どうすんのさ?」
「――へ? 俺?」
「当然でしょ。まさか桜田旭で通す気?」
「……言われてみればそうですね。名前何にします?」
「……単純に旭だから夕日にでもする?」
「……あのなー、もちっと座りのいいのがあるだろ?
そうだな。夕日っつー発想は悪くねーから――夕輝(ゆうき)。桜 夕輝にしよう!」
これなら桜田呼びされてもバレねーだろーし。
 感心したように頷くと、
「へー、カワイイね。じゃあ私は黒木夏男で」
「単純だな」
「これなら黒崎って間違えて呼んでも誤魔化せるじゃん」
コイツも同じこと考えてたのか。
「それじゃ二人とも名前が決まったところで、呼び合ってみてくださいよ」
作品名:裏ふぁーすとでーと? 作家名:如月花菜