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風信子石の屈折率

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「正直、君みたいなこが作るべきじゃないと思ってる」
 言いながらも白衣の男は学生服の少年の前へと必要なものを置いていく。
「他人のことを言えたものじゃないけど、君は喧嘩とか弱いから、真っ先に標的にされるだろうし」
少年は男の言葉を否定しなかった。そうですね、とだけ返して机上に並ぶ道具を見つめている。
「友達が持ってるから、とか、そういう理由ならいくらでも協力しないって言えたのに」
「残念でしたね」
「君がセルティを説得し倒した時に諦めたよ」
少年は今日も無意識に微笑んでいた。恐らく首のない恋人もこの笑顔が決定打だったのだろう。少年は手遅れで、末期で、要するにどうにもならないところまできている。
 それが最初からなのか、昨今のことなのかは知れないが。
「何度も言うけど、僕は正規の機関じゃない。規律に縛られることはないけれど、規律に守られることもない。君ならまだちゃんとしたところで――――」
「有事の際に規律なんてあっても邪魔なだけです」
「……ならもう何も言わないよ」


   イシ を つくりますか ?
    ⇒ はい
      いいえ





岸谷新羅
 イシ:白銀の手術道具一式
 付加:用途を外れなければ壊れることはない。
    但し、用途を外れればその強度は著しく低下する。
作品名:風信子石の屈折率 作家名:NiLi