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前世を言うのは困ったもんだよ

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「せんせー、俺様、中学三年間ずっと担任が前田だったのよ?流石に他の名前聞きたいわ。」
「う。」
一年が前田慶次、二年が前田利家、三年が前田慶次だった。
偶然とはいえ嫌になる。
「・・・さっきも片倉さんにチクチク言われたんだから、労わってよ。」
「あ、来たんだ、片倉さん。」
「裏の教職員用駐車場使うからって許可取りにね。ほら、伊達サン、お花とかプレゼントとか、朝の段階で凄かったから。」
「そういや、なんか電話してたっけ伊達ちゃん。俺様、あの人に眼つけられてるからさっさと帰ろうかな・・・。」
「車から出ないって言ってたから大丈夫じゃない?」
「・・・誰がそこまでプレゼント運ぶと思う?」
「・・・あー。頑張って?」
お互いに乾き切った笑いが零れた。
「オイ佐助!手伝え!!頼む!」
噂をすれば影が差して、伊達ちゃんに俺様は見つかってしまったらしい。
「あーあ、お呼びだよ。じゃ、先生今まで有難うございました。これからもよろしく。」
「これから?」
「・・・伊達ちゃんの情報提供、やめていい?」
「駄目!それ困るっ!!」
「利家せんせーのフォローも頑張ってね。」
一年生に、最強夫婦の奥様だった女の子が入学していた。
この一年、前田利家の挙動不審ぶりは生半じゃなかった。
うっかり、まつ、と呼びそうになっていた。
じゃ、と俺様は伊達ちゃんの方へ踵を返した。
「またね!」
と、前田慶次の楽しげな声を背中で聞いた。

かいちょおー、という濁声が聞こえる。
「テメエら情けねえ声、出すんじゃねえ!」
伊達ちゃんは近づいた俺様に気付いて、けどこっちを見もせずに両手に抱えた花やらプレゼントやらを押し付けた。
メルマガで、事前に花以外のプレゼントは飲食物で、と告知が回っていただけあって大物は少ない。
が、花束は3,000円を下らないものばかりだ。結構嵩張る。
伊達ちゃんは何か訓示を垂れているようだが、興味ないので俺様は押し付けられた諸々をまとめる。
花は花でまとめて、箱は箱で。と、そうしていたら、肩を叩かれた。
チカちゃんだ。
「佐助、これ、話して貰って来た。どうせ伊達の服にしようと狙ってたやつだから、やるわ。」
大判の、被服部所有の布だった。1.5×2.0Mっていうところ。
風呂敷代わりにお誂え向きだった。
きれいな、青。
「・・・なんかヤダなあ。」
ん?とチカちゃんが不思議な顔をした。
「なんで俺様、伊達ちゃんの言うこと聞いてるのかな、って。」
「友達だからだろ?伊達、困ってるじゃん。」
当たり前のように言われて、キョトリとした後、俺様は苦笑した。
「だよね。危ない危ない。」
「変だぞ、佐助。流石にお前も卒業ってなると、調子狂ったか?」
「かもねー。」
俺様はちょっと困ってしまった。
前世に振り回されるのはごめんだ。
そう思い続けた三年間だったけど、これほど肉迫した時間もそうは無いだろうと思う。
特に、今朝から前世のことを考えることが多かったから、自然と感情が引き摺られたらしい。
青い服を着て敵対した男なんか、今はもうどこにもいない。
黒い標準服を着た、女の子がいるだけだ。
もう一度、認識を改める。
今は今。昔は昔。
教室と生徒会室が窓口になっていて、まだまだ贈り物は山とあるのだ。
卒業生から贈り物をされる卒業生など、伊達ちゃんくらいだろう。
困っている友達を助けるのなんて、古今東西当たり前だ。
広げた真っ青な布に、セロハンをガサガサ言わせながら、俺様はプレゼントを放り込んだ。