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みとなんこ@紺
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サニーディ・サンディ

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丁度イイ感じのお日柄だった。

とんでもなく暑い東部の夏が過ぎ、風も心地良く、空は青く高く。
何をするにもこれから、といった感じのとある昼日中。


・・・なのに。


「なーんでこんな日にいきなり立て籠もり事件なんぞ起こるかなー・・・」


「日頃の行いだろ」
口をついて出ただけの一言に、傍らからは即・素のツッコミが返ってきた。ただ、それにも微妙に力がない。
くわえた煙草の先が微妙に下がる。
だったらお前はなんなんだ、と忌々しげに本日何度目かのぼやきを漏らしながら、ハボックは車の影から標的の建物の様子を窺った。
先程までは威嚇のつもりか、あちらさんから散発的に撃ってきていたが、取りあえず無駄玉が勿体ないから気軽に撃ち返すは止めとけ、と通達してある。それから動かぬこちらを訝しんでか、向こうも様子見に入ったらしい。
時計を引っ張り出すのが面倒だったので、通りを越えた遠く、時計台に視線をやる。
事件開始から包囲を経てにらみ合いが続く事、ざっと二十分といったところか。現在進行形で微妙な膠着状態が続いていた。



部下から報告を受けていたブレダが、近隣の道路の封鎖が終わったとさ、と振り返る。
彼はハボックに並ぶと、同じように建物を見遣りながら、ふん、とつまらなさそうに鼻を鳴らした。
「・・・しかし手際の悪ぃ連中だな。普通退路くらい最初に確保しておくもんだが」
さっさと逃げりゃいいものを、とか碌でもない事を呟いている。
「・・・何かイレギュラーじゃねぇの?声明も要求もまだだろ」
「お電話にすら出る気はなさそうだ」
「おっさんの声だと嫌なんじゃないか?」
「だったらお前、今度中尉にお願いしてみるか?」
遠慮させていただきます。てか、俺が中尉に怒られるだけじゃんか。
「何にせよ、お粗末なこった」
その感想に異議はないが。実は、実際の所結構厄介な状況になっていたりする。



「・・・で、どーなんだ?あれどこの?」
そう聞きつつも、ハボックの脳裏にはそろそろ動きそうな東部近郊を根城にするいくつかの、軍・ひいては現体制に反発する組織の名がのぼっている。
だが、予想に反してブレダはさぁ、と小さく頭を振っただけだった。
どうも人質を取っているようなのだが、向こうの動き自体がないので対処のしようが今ひとつ定まらない。
私怨か、営利か、その他か。理由によってそれぞれ対応も変わってくるというのに。
どうも向こう的には行き当たりばったりな突発的犯行な気配もするが。
「・・・というか奴さん、正気だと思うか?」
「ヤな事言うなよ。一番面倒じゃねぇか」
「あーもー・・・、ラチあかねぇ・・・」
めんどくさい、とあからさまに表情に出しながら、ハボックは煙草のフィルターを苛々と噛んだ。
「・・・久々の定時上がりの野望がこれでパァだ」
「良かったな。一緒に残業しよーぜ」
そしてストレス発散はあっちにどうぞ。
ブレダがうり、と指で示す先には立てこもりの続くビル。

・・・あー、楽しくない。