向いてない男 下
六年は組実習記録
某月某日。
裏々山に於いて、組別札取競争を行う。
は組は、物見岩由り行動を開始す。
開始直後、二手に別れる。食満留三郎は西へ向かう。善法寺伊作は南南東へ向かう。
食満は逃走中を装い、ろ組と接触。地点甲へ、ろ組を誘導す。(食満、手際悪シ。減点、五)
善法寺は、い組と接触。数合刃を交えた後、逃走を装い地点甲へ誘導す。
地点甲へは善法寺及び、い組が先着す。時を置くこと凡そ四半時、食満及び組、合流す。
小規模の乱闘起こる。(善法寺、武芸未熟、又、不手際有リ。減点、十)
い組、地点甲より、切り通しへ他全員を誘導す。は組、それに従う。
切り通しにて、は組の両名、双忍の術を用いる。
即ち、食満が囮となり、焙烙火矢を用いんとする立花仙蔵へ注目を集め、その間に善法寺が霞扇の術を行うなり。
このために、食満、立花仙蔵により討ち取られる。(食満、失格。減点、十)
善法寺、霞扇にて、座枯らしの薬(仮)を散布す。
い組の潮江、立花、ろ組の七松、中在家、以上四名、薬を吸引したため、死亡と判定。
結果、善法寺以外、全滅。
は組の勝利とし、実習を終了。
共通成績
札所持数、三枚(加点、九十)
順位、一位(加点、二十)
備考
教員三名の協議により、両名へ特別加点、十。
記録者 六年は組 実技担任