どうしてこうなった
――えーと……なになに?突っ込むべき?
「おい。蘭!余計なこと言うんじゃねーよ」
そう言う名探偵はどことなく恥ずかしそうだった。
「本当の事じゃない。
前は口を開けばホームズ、ホームズだったけど最近はキッドの話ばっかだし……」
落ち着かせようとしてるのか名探偵はコーヒーを一口飲んでから口を開いた。
「たったしかに……好きだけどさ……」
なんてこったい。
俺は嫌われてるとばっかり……。
そこで反キッド派の青子が反論する。
「キッドなんてただの変なドロボーじゃん!あんな奴お父さんがすぐ捕まえてやる
んだから!」
いつもの決まり文句だ。
青子、言っちゃ悪いがお前の父さんに捕まることは金輪際ないね。
名探偵は怪盗キッドを侮辱されてムッとしたのか、すこし荒い喋り方だった。
「怪盗キッドはただの犯罪者じゃねーよ」
名探偵の発言に俺はつい反応する。
名探偵。怪盗キッドのどこまで知ってるんだ?
「どういう事ですか?工藤君」
もしかしたら名探偵のことだ、全て解っているかもしれない。名探偵は喋りずら
そうに話し出した。
「だからさ……あいつは他の犯罪者と違くて、ちゃんとした決意を持ってんじゃ
ねぇか。派手なパフォーマンスするけど、どこか冷静で……」
余談だけど照れながら話す名探偵は犯罪級に可愛かった。
しかし台無しな事に次の瞬間には面倒くさそうに逆ギレした。
「あーもー!うるせぇな!好きなんだよ。怪盗キッドが!ファンとして探偵としても
大大大好きなんだよ!悪いか!」
一見。
愛の告白に
見えなくもない
名探偵の
発言は
俺こと
怪盗キッドの
ハートを
ガッチリと
掴んだ。
否、
捕まった。
「っ俺も名探偵の事大好きだよ!」
取り合えずこの場から名探偵と2人で抜けられる方法を考えよう。
end