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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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マゴノック・アオミタ・イーヨ<前編>

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「さて、では二人とも揃ったことだし。
ツナヨシ君、さっきの話の続きなんだがね」
「あ、はい」
「あぁ?話だぁ?・・・ドカスいたのか」
「いるよ。ってか、座ってよ。お前デカイから立ってると落ちつかない」
「ちっ」
不機嫌ながらもザンザスは近くにあったアンティークチェアを引き寄せると、ドカリと腰掛け、長い足を組んでふんぞりかえる。またそれが様になっているからムカつく。
と、それはさておき。
「実はね、ツナヨシくん。ザンザスと一緒にマゴノック・アオミタ・イーヨをとって来てほしいんだ」
「マゴノック・アオミタ・イーヨ?ですか」
聞いたこともない名前に、ツナヨシはキョトンと首をかしげる。
「この屋敷の裏山にあるんだが・・・」
「は、誰がそんなめんどくせぇ事。テメーでとって来りゃいいじゃねぇか」
「この年になるとなかなか山道が堪えてね。寒さも身にしみるし。いやいや、私も老いたということだよ。せめて死ぬ前に一目・・・」
「そんな、九代目。縁起でもない」
「どうかこの老い先短い老人の頼みを一つ叶えてもらえないかね?」
そう掠れた声で九代目は呟くと、声が喉にからんだのかゴホゴホとせきこんでしまった。
「あ、大丈夫ですか!九代目」
あわててツナヨシは九代目の背中をさすってやる。しかし一方のザンザスはというと、
(うぜぇ・・・)
その姿はたしかに『思わず手を差し伸べてしまう気弱な老人』そのものなのだが、
――――はっきり言ってかなり胡散臭い。
「あの方のためなら何でもしてさしあげたくなる」そんな不思議な魅力があると、家光などは言っているらしいが。『神の采配』と賞される海千山千のこの老人にかかれば、泣き落としなど朝飯前だ。
(は、わざとらしい。このタヌキジジィが)
だが、鼻で嗤ったザンザスとは対照的に、この愚かで甘いツナヨシはコロリと騙された。
「九代目・・・オレたちに任せてください!!必ず、マゴノック・アオミタ・イーヨ取ってきますからっ!」
「あぁ?!」
――――馬鹿なのか?
いや、馬鹿なのだ。こいつは、どうしようもなく馬鹿なのだ。
呆れて口を開く気力もないザンザスと、一人勝手に燃え上がるツナヨシ。
対照的な二人をニコニコと眺める(・・・いつの間に回復したのだ)九代目の手には一枚の写真。それをツナヨシからは見えない位置に隠し持ち、ヒラヒラザンザスに向けて振っている。いわずもがな、ザンザスが出張ってきた『元凶』となった物品である。
――――ブチッ。
ぶちキレたザンザスは問答無用で拳銃を取り出すと、憤怒の炎を装填。何の躊躇も遠慮もなくぶっ放したのだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇