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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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話し合ってみよう:VARIA<後編>

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そんな観戦者たちの杞憂など構うことなく、ボス二人は目まぐるしく攻守を入れ換えぶつかり合う。
「っ、この分からず屋のぐうたら昼寝男!!」
炎の推進力で加速したツナヨシの飛び蹴りを、クロスした腕で防いだザンザスは勢いを無理に殺すことなくそのまま後方に飛んで受け流す。そして、スクアーロ達が観戦する窓のすぐ側に、あろうことか壁面にダンッと着地した。その衝撃にザンザスの足元がビシッとひび割れるが、当の本人は堪えた様子もなく、ゆらりと身を起こす。
――――地面と平行に直立して。
ザンザスの黒いコートが重力にひかれてたなびく。ザンザスを追いかけてツナヨシもそのまま壁に直立すると、バサリとジャケットを脱ぎ捨てた。
ハアハアと息は荒いが、いまだ鮮烈な光を宿したオレンジの瞳がザンザスを捕らえ、対する真紅の瞳は、戦闘の愉悦に妖しく濡れて。
「ザンザス。ホント、いい加減にしろよ」
「はっ、そっくりそのままテメーに返してやるぜ」
ピキピキと空気が張りつめていく。
絡みあう視線は灼けつくほどに、熱く、熱く。

二人は同時に踏み込むと、壁面を蹴り、駆けだした。
ドッ、ガッ、ゴスッ、嵐のような拳の応酬。力ではツナヨシに分が悪い。ザンザスの拳をかわし、いなし、受け流しながらも、手数を増やして反撃する。が、さすがに相手は暗殺部隊の隊長だ、顎を狙った拳はあっさりと掌で受け止められ、逆に太い腕がツナヨシのそれを絡めとる。
獲物を捕らえた黒い獣はニヤリと不敵に嗤うと、ヒュッと半身を捻り、回し蹴りをツナヨシのボディに叩き込んだ。
「ぐっ」
かろうじて残る片腕でガードしたものの、ザンザスの重い蹴りにツナヨシの体は壁を離れて空中にはじき飛ばされる。
飛ばされたツナヨシは炎を噴射し、空中でくるりと回転。体勢を整えた。
だがしかし、ツナヨシが動きを止めた一瞬の隙を見逃さず、ザンザスも追って空中に飛び出すと、
「かっ消えろ!!マルテーロ・ディ・フィアンマ!!」
あらん限りの銃弾を撃ち込んだ。
空間すべてを灼き尽くす、死の鉄槌がツナヨシを強襲する。
「ムムッ、あれは・・・」
「あたる!!」
「う゛ぉい、直撃だぞ!」
闇夜に煌々と輝く巨大な炎の塊。美しくも危険な華が咲き誇る。
爆炎が真昼のようにあたりを照らし出し、爆風はベル達が観戦するガラス窓をもビリビリと揺さぶって。あまりの爆発の激しさに、さしもの彼らも言葉を失った。

だが次の瞬間、薄れゆく炎と煙の中から、小柄な人影が飛び出した。
――――死ぬ気のゼロ地点突破・改か!
かつてリング争奪戦の折に編み出されたボンゴレ・デーチモの必殺技。相手の炎を吸収し自らのエネルギーに変えてしまうという、離れ業である。
ゼロ地点突破・改でザンザスの炎弾を吸収したツナヨシは、両手の炎を噴射し一気に加速する。一瞬のうちにザンザスの間合いに侵入すると、間近に彼の紅い双眸を捕らえたツナヨシは婉然と笑みを浮かべた。
「ちっ」
こと機動力においては、ザンザスに分が悪い。なおかつ現状、両手は拳銃で塞がっており、炎で直接攻撃することもままならない。
パワーではザンザスに劣るものの、スピードならツナヨシが上だ。
一気にザンザスに肉薄したツナヨシは、その勢いのまま思いっきり、お返しとばかりにザンザスを殴り飛ばした。
「ぐっ」
――――あの細腕で、ボスを殴りとばすとは。
目を疑う光景だが、まぎれもない事実。
さすがに、ドン・ボンゴレは伊達じゃない。

吹っ飛ばされたザンザスは壁に叩きつけられてもその勢いは止まらず、ガラス窓をぶち破り室内につっこんでいく。
――――すなわちスクアーロ達が観戦している部屋にである。
「うわっ!」
「わーあぶないですー隊長ー」
わざとらしく危険を警告しながらもフランはスクアーロをわざとザンザスの進路へ蹴り飛ばしてたりする。
あわてて(?)避難するベル達のすぐ側をザンザスの体が吹き飛び、テーブル、ソファ、ついでにスクアーロを薙払って、壁に衝突すると、やっとのことで停止したのだった。
「ボス、大丈夫かい?」
マーモンが瓦礫の塊と化したザンザスにおそるおそる声をかけていると、続いてツナヨシも飛び込んで来た。
瓦礫をはらいのけ、ふらつく頭を押さえて体をおこしたザンザスの一瞬の隙を逃さず、ツナヨシは彼の腹に乗りあげ、そのまま押さえ込む。
いわゆる、マウントポジションというやつだ。
そうして、ビシッとザンザスの鼻先に拳を突きつけ、ツナヨシは決着を宣言した。
「オレの勝ちだ!ザンザス」
「ちっ」
互いに裂傷、擦過傷、火傷に打撲、その他諸々。満身創痍のズタボロだ。
だがゼイハアと肩で息をしながらも、ツナヨシは何とか勝利を手に入れたのだった。


一方のザンザスと言えば、非常に不服な表情である。
憮然と口元を歪めて、じっとりとツナヨシを睨み付ける。
「そんな顔しても無駄だからな。きっちり『改善指導通知』出してやる」
ひとまず傍迷惑なボディートークは終わったと見て、遠巻きに二人を眺めていた面々も近づいて来た。
「どうやら、話はついたみたいだね」
「ずいぶんとーバイオレンスな話し合いですねー」
「ししし、にしてもツナヨシすげー格好」
「はぁ?」
ベルの言葉にキョトンと首を傾げるツナヨシだったが。
改めて自分の格好を見下ろしてみれば、仰向けに倒れたザンザスの腹の上に跨っているわけで。なおかつツナヨシ本人は気付いていないが、激しい運動に白い肌はほんのりと紅く染まり艶めいて、加えて着衣も乱れに乱れきっている。
――――傍目に見ても、何というか非常にいかがわしい光景だ。
「なっ!」
慌ててザンザスから下りようと動いたツナヨシだったが、上半身を起こしたザンザスは素早くツナヨシの腕をつかんで引き留める。
そして、正面からジッとツナヨシを眺めると、ニヤリと獰猛な笑みを浮かべた。
「・・・悪くねぇ」
「へ?」
ぐいっと力任せに腕をひっぱられ、あっと思う間もなく視界が反転する。

先ほどと変わらず、目の前にはザンザスの貌。だが、彼の背後には豪奢なシャンデリアが、華麗な装飾を施した天井が見えて。対する自分の背中には硬い床の感触。
どういうつもりだ、と抗議に開いた口に、噛みつくような口づけが降ってきた。
熱い吐息が唇をくすぐって、開いた隙間に舌が侵入する。
「んぅ!んんーー!!」
突然の狼藉に驚愕したものの、ハッと我にかえったツナヨシはバシバシとザンザスの体を叩いているが、それで見逃してくれるような男ではない。加えてこのウェイト差は如何ともしがたく、のしかかられたツナヨシは床とザンザスとの間に縫い止められ、じたばたと拙い抵抗を続けるのみ。
「ぷはっ!なにすんだよ、ザンザス!!」
先ほどまでの勢いはどこへやら、こと、こういう方面ではめっぽう弱いツナヨシは途端に慌てふためき逃げ腰だ。
「あぁ?監査なんてめんどくせぇもんにつき合ってやったんだ、今度はオレにつきあえよ」
「いや、それ、ぜったい違うから。理屈がおかしすぎる!!」
ツナヨシの必死のツッコミなどお構いなしに、ごそごそと服の中に男の手が侵入してくる。体をイロイロとまさぐられて、ツナヨシは青くなったり、赤くなったり。