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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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話し合ってみよう:VARIA<後編>

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「ひっ!ちょ、どこ触って・・・やっ、助けて!スクアーロ!!ベル!!マーモン!!フラン!!」
ジタバタとあがきながら、救いの手を伸ばすツナヨシに、
「う゛ぉぉぉい、勘弁しろぉ」
やっと瓦礫の山から復活したかと思えば、この騒動。剣を捧げた主とこの先起こるであろう厄介事の板挟みに、頭を抱えて苦悩するスクアーロ。
「ムリ。王子も命惜しいし」
あっさりと、切り捨ててくれるベルフェゴール。さすがはプリンス・ザ・リッパー。
「ボス、幻覚で結界張ろうか?ついでにSランク2回分で守護者共も誤魔化しておいてあげるよ?」
金に目がくらみ、易々とツナヨシを売り払うマーモン。
「んーたしかにーボンゴレ十代目がボスに喰われたとなるとーミーの師匠がイロイロうるさいですけどー」
「フラン!」
「ミーがめんどくさいからヤですー」
かすかな希望にしがみつこうとした途端これだ。さすがはムクロの弟子。さすがはヴァリアー幹部(新入り)。
――――パタリとツナヨシの手が床に落ちた。
ここに最後の希望も消え去った。それはもうすっぱり、きれいさっぱりと。

かくいう間に、いい加減我慢の限界を超えたザンザス(なにせ彼は非常に短気である)は、手荒にツナヨシの着衣を剥きはじめる。
ビリビリと力任せに破かれたシャツだの、ボタンだのが宙に飛んで。
「ぎゃあぁぁぁぁっぁぁ」
「るせぇ」
黒い獣は獰猛な笑みを一層深くすると、ツナヨシの頬をペロリと舐める。
「っ!」
ピリリと頬にはしった痛みに、ツナヨシの体がはねる。
(へっ?あ、傷舐めたのか。もしかして服とったのも手当・・・とか?)
過剰な反応だったのかと、恐る恐るザンザスを見上げると紅い眼がゆっくりと細められる。
それはもう愉しげに、愉しげに。
(いやこれは・・・明らかに『食事』だぁ!)
その眼に浮かぶ欲情に気付いたツナヨシは、もはや半泣きだ。
「まあ、仲良くやろうぜ」
「や、ちょ!何をだよ!」
「ナニを」
「やだ!やめろっ、ザン・・・あっ、ん、やめっ、ザンザス!」
声だけならば非常に艶めかしく、悩まし気な声をあげてツナヨシはあがく。
「う゛ぉい、ボス」
スクアーロのげんなりとした制止の声にもザンザスが一瞥を向けることはなく、ぞんざいに後ろ手を振る。
――――要するに、『散れ』と命じているワケで。
「ったく。このクソボスがぁ!」
「じゃ、ボクらもさっさと退散しようか」
「焼きゴテ押されたくないし」
「さんせーですー」
スクアーロは腹立ち紛れにドカッと扉を蹴り開ける。続いてぞろぞろと部屋を後にするヴァリアー幹部達。彼らだってすき好んでボスの怒りを喰らいたいわけはない。
さすがはヴァリアークオリティ、音一つ立てることなく無情にも待機室の扉は閉められた。

「ちょ!嘘だろ?や、あぁぁぁあああああーーーー」
後には哀れな獲物の悲鳴が響き渡るのみ。


END.