Today's Military DOG Report
危なかった・・・!
あのままあの場にいたら、絶対巻き添えだ。
部屋に残っている連中の末路がどうなるのかを考えたら、明日から大変だなー使いものになるの何人残ってるかなーとか、結構心配ではあるのだが。・・・とりあえず、なるように、なってたらいいんだけれど。特に自分の出勤する明後日には、ちょっと落ち着いていたら良いのになー、と。
こんな時は、見えない何かに祈るばかり。
「・・・帰るか・・・」
一山越えたで済まないほどの脱力感に襲われて、とぼとぼと廊下を歩むと、傍らから書類を抱えた同僚とすれ違った。普段はこっちにあまり用事のない所にいるはずなのに、このどたばたの最中にいいように使われているらしい。・・・まぁ、確かにここは『立ってる者は他部署でも上司でも使えるだけ使え』、がまかり通る所だが。
「上がりですか?」
「お先に。・・・しばらく司令室近寄らない方がいいぞ?」
「え?」
それでもせめてもう少し時間を空けて、ゴタゴタに巻き込まれないように。疑問符を飛ばしてくるのに軽く手を振って短く健闘を祈ると、足早にさっさと外へ。
外の冷たい空気を一息吸えば、漸く肩から力が抜けた。
ああ、こうしてみればわが家が恋しい。
隊長が癒し癒しと言ってたのも頷ける。
今日は、しばらくろくに顔を合わせられなかったのでご機嫌伺いにケーキでも買って帰ってゆっくりするとしよう。
――――何かどこかから聞こえた銃声は聞かなかったフリをして。
TheEnd
作品名:Today's Military DOG Report 作家名:みとなんこ@紺