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けもののしょくよく

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→その後どうなった


翌日、静雄からの短い「今日会えるか?」というメールで帝人は夢ではなかったのだと知る。この急展開に帝人はついていけなかったが、待ち受けているのが嫌な熱を孕んだ欲求不満の獣が待っているとも知らず、「いいですよ」と軽い了承を出す。近いうちに食べられるのは目に見えている。気づかないのは帝人だけだった。


「あ、静雄さん。こんにちは」

「よう。ええと、なんだ、竜ヶ崎」

「峰ですよ」

「そうか。なあ、竜ヶ谷」

「ええと・・・」

「食べて良いか」

帝人は固まる。
何を食べるのだろう。
静雄は自分の腕を掴んでいる。紅潮している。
昨日では感じられなかった本能が危機を察知して、帝人は、これはない、と胸中で平和島静雄ショタコン説を大いに叫んだ。だが、それを偶然見ていた狩沢絵理華が実際に叫んだ。シズシズ、ショタコン説モエエエエー、と何かの動物の鳴き声のように。


静雄はいっさいその声が耳に入らなくて、ただひたすら待ての状態で、よし、を待っていた。とりあえずお腹が空いて仕方ない。帝人を食べたくて仕方なかった。


口元が引きつる帝人。
昨日とは反対に今度は期待に満ちる瞳をしているのは、静雄。

打開策頼む、と帝人は後ろ手に回した携帯で一か八か折原臨也の番号を押した。

それに静雄が気づくまであと何秒だろうか。
冷や汗が流れて仕方がない。どうしてこうなった、と自分の昨日の行動を思い返して帝人は迂闊に平和島静雄に関わってしまったことを後悔する。それも今となっては遅いのだが。


さて、折原臨也が嬉々として帝人の元まで来るまであと三分。
平和島静雄が待てなくなってとりあえず腕をなめるまであと二分。
狩沢絵理華が発狂してカメラを構えて激写するまであと一分。

竜ヶ峰帝人が耐えきれずに逃げて、それを追いかける嬉しそうな平和島静雄が捕まえるまであと。
作品名:けもののしょくよく 作家名:高良