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この手で　自分を守ってきた。
この手で　生き抜く術と命を奪う術を学んできた。
この手で　美しい花に触れ
この手で　数え切れない人間を殺してきた。
この手は　俺の命綱であり
この手は　俺の仕事の道具であり
この手は　俺の誇りだった。


++ 手 ++ -ｋ－


この手が　やがて年老いて
深く皺が刻まれるようになったとしても冷たいままだ。

あなたのように
あなたのように温もりを伝えるような手にはならないだろう。

あなたの手は　生きる術と殺す術を教えてきた。
あなたの手は　男親のように厳しかった。
あなたの手は　女親のように優しかった。
あなたの暖かい手に　里のすべてが守られていました。

あなたの小さく、細い、皺だらけの手は　
木の葉の里の、砦であり、宝でした。

俺は、あなたのようにはできません。
里の全てを守る事などできはしません。

けれど
けれど願わくば・・・
あなたの望んでいたように

俺のこの手が
アノコを殺める道具ではなく、守りぬく頑丈な砦となれるように

たった一人
愛しい者を生かす為の救いとなれるように

どうか　どうか　見守っていてください。