NARUTOまとめ
++ 真夜中ブルース ++
今夜もめでたく夜を迎えた
明日は今日になって今日は昨日になる
流れる時間は思ったよりも長く とても長く
毎日毎日、さっさと1日が終るようにと切に願う
願ってはみるものの
家に着いて1人になると殊更時間はゆっくり流れ
「子供の1日は大人のそれより長い」
なんて誰かが言っていたのを思い出す
一分一秒が十分一時間にも感じる
それは苦痛でしかなくて
仕方無しに些細な抵抗を試みる
3分待つところを5分待った のびきったラーメンを啜り
いちいち丁寧に食器を洗ってみたり、ついでで流しやテーブルもピカピカ
ピカピカついでに部屋中の掃除をしようとしたら、既に何処もかしこもピカピカだった
以前なら20分しかはいらなかった風呂には巻物を持ち込んで
2時間かけて浸かってみれば、ものの見事にのぼせてしまった
頭も体もきっちり拭いて
風呂上りの牛乳はもちろん一気飲みしないでじっくり味わう
そこまでしても時計の針は、
まだ三十分と二十秒あるよと笑ってた
中途半端な時間は持て余し気味で
いつもここで
ハイ降参
大人しく布団に潜り込み、天井を仰ぐ
そしてやってくるウルサイ静寂
待ってましたとばかりに捕えられ、強制的に素敵な夢を見せてくれる
舞台はココ、三代目火影治める木の葉の里
主人公は俺 うずまきナルト
その他大勢は顔の無い大人達
入れ代わり立ち代り 決まり文句のオンパレード
「何故っ如何してっオマエが生きてるんだっ」
「あの時一緒に死ねばよかったのにっ」
「オマエに生きる意味なんてありもしないのにっ」
同じことを反芻して何が楽しいのかと
何処か他人行儀で呪いの言葉に耳を傾ける
生きている意味?
そんなことはアノ人に聞いてくれ
良く解らないけれど
アノ人が俺の生きている意味だと思うから
難しい事はアノ人に聞いて欲しい
アノ人だけが俺の生きている意味を知っているのだから
目には涙
長かった今日がやっと終る
そしてまた長い長い今日が始まる