The romance of falsehood(同人誌)
冒頭
昔々あるところに、雪原の国の王子様と華の国のお姫様がいました。
雪原の国の王子様は名前の通り雪だらけのお城に住んでいました。雪原の国の人は皆、年の半分を極寒で過ごしていました。王子様も寒いのは嫌いでしたのでどうにかならないかと考えておりました。
華の国のお姫様は名前の通り華の香りがするお城に住んでいました。そのお城は四季折々の花が咲き乱れ、お姫様は窓から移り行く草花を眺めるのが大好きでした。勿論お姫様の国でも雪は降りましたが、冬の寒い一時なのでお姫様は雪が嫌いではありませんでした。
ある日、雪原のお城に住んでいる臣下たちはもう寒いのは耐えられない、南下して華の国のお城を攻めようと言い出しました。華の国のお城を攻めて、国土にしてしまえば私達は寒さから逃れられると考えたのです。
しかし、雪原の国の王子も、その臣下たちも、そして華の国の一般市民も知らないことが一つだけありました。
華の国のお姫様にはとんでもない秘密があったのです。
作品名:The romance of falsehood(同人誌) 作家名:桃斗