10分創作ログ
お題:手を繋ぐ
四国へ訪れるたびにいつも浜にいるってのはどういう事なんだろうと思う。何か着けられているかもしれない。面倒な事だ。大体、ちょっと過保護のきらいがあるのだ、元親には。
「慶次!」
当たり前のように差し出された手は、いつものように無視して、小船から陸へぴょいと飛び降りる。
「久しぶりだねえ」
すらっとぼけた顔で笑いかける。おう、と戸惑ったような情けない笑顔を見て、ため息をひとつ。
船から下りるのに手はいらないけど、陸に下りたら並んで手を繋ぎたいのだ。いちいち照れてないで、いい加減に覚えるといいのに。