二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【臨帝】なんでもない日【腐向】

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

「案外ロマンチストなんですね、臨也さんって。いつもの臨也さんだったら僕に断りも無く区役所行って、勝手に手続き済ませて来ちゃいそうなのに」
「そうしようかなって思ったけどさぁ…正攻法でいかなきゃって思ったんだよね。君の前でだけは、真面目でいようかなって。それ位には帝人君を大事に思ってるよ」

臨也の言葉に胸を打たれた帝人は、心臓を鷲づかみにされたようなショックを覚えた。今まで葛藤していたことが馬鹿みたいだと思える。彼はとっくに覚悟を決めていてくれた。自分が常識の範囲から飛び出すのを、恐がっていただけだと気付いた。愛されている自信に満たされた帝人は意を決する。
そして帝人は――付き合うことを決めた日から現在までずっと疑問に思っている小さなわだかまりを、ぽつりと呟いた。

「どうして、僕を選んだんですか?」

問いかけた先に居る美貌の主は「そんな事…今更聞くの?」と呟きシニカルな笑みを浮かべ、ノーブルな唇をゆっくりと開く。

「帝人君がいいから。帝人君じゃなきゃ、ダメだから」

「答えに、なってないです…」
気が付けば長い腕が背後に回され肩を抱かれており、彼が日頃身につけるコロンの香りと暖かな体温に包まれた。全てを求められた喜びを実感して顔を熱くさせ、上目遣いに臨也を見つめるばかりの帝人のおでこに、そっと。
ひとつ、ふたつ。優しいキスが送られた。はらりと舞い落ちる甘いキスは心を小鳥の羽でくすぐられるようなときめきを帝人にもたらし、表情がふにゃんと綻ぶ。

「明日、結婚指輪選びにいこうね?」
「答え聞いてないじゃないですか」
「帝人君の答えなんて聞かなくても判るよ。嬉しいって顔に書いてあるからねぇ」
「な、書いてあるわけ、無いじゃないですかっ!」
「え~書いてあるよ、このへん」

臨也は長くしなやかな指先を伸ばし帝人の頬をきゅうっと摘み上げると、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ悪戯にグニグニと玩んできた。

「や、やめてくださいっ!」
「え~やだ」
「止めてくださいってば!」
「嫌がる帝人君が可愛い~!もっといじめちゃお」

そして臨也は可虐性を剥き出しにした猫のように眼を爛々と輝かせながら帝人の柔らかな頬をいたぶりつつ、ふいを付くように。チュッ。と色めいたリップ音を立てながら、白い瞼にキスを落とす。
チュッ、チュッ。と乾いた音を鳴らしながら送られるバードキスは帝人の本能を甘やかに、蕩けさせてゆく。

「あ…い、臨也さん…っ」

全身を恋の情欲に染め上げていく臨也の唇は帝人の唇に舞い降り、全てを奪うかのように深く合わせられ強引に口付けられた。

「ん、っ、んん…っ!」

そのままぬるりと進入してきた熱い臨也の舌は更に深い口付けを求めようと、帝人の口内で思うがままに振舞う。
上顎を舌先でそろりとくすぐり歯が浮くような快感を与えると、今度は奥で震えていた小さな舌を引きずり出す。長い舌を絡み合わせ舌先同士の情交をけしかけ始めた臨也の手が、帝人のコートのボタンを性急に外してゆくのに気付くが、帝人の思考は既に臨也の手中だった。

「ふぁ、んっ…ん、ぁぁ、ん、ふぁっ…!」

唇を合わせてからの間、幾度も吐き出されてくる臨也の熱が篭った吐息ととろりとした唾液をこくんと飲み込めば、甘い毒を注がれたように全身がきゅんと疼き、もうどうしようもない。このままじゃ、なし崩しに求められるだけだ。まだお風呂にも入っていないから、せめて済ませてから――と逃げを打つ帝人の腕を掴み上げ静止の手を封じた臨也は、ぼすんとスプリングを軋ませソファに華奢な身体を押し倒した。そして臨也はキスの合間に熱情を宿したハスキーな美声で、念を押す。

「明日…指輪、買いに行こうね?」

帝人の答えを待つことなく深く重ねあわされた唇は、容赦なく帝人の理性を奪ってゆく。
小さな舌の輪郭を描くように長い舌先をチロチロと巧みに這わせられれば与えられる性感がたまらなくて、浅ましく腰が揺らめいた。

「んふ、ふぁ、ぁ…ぁんっ!」

もっと愛して。身体中余すところ無く、全て。と理性を開放し臨也の背中にぎゅっとしがみ付いた帝人は、ちゅる、ちゅると舌を吸い合う合間にこくん、こくんと頷く。
臨也の悪戯な指先は帝人の着衣を乱し前をだらしなく肌蹴させると、情欲に塗れた肢体に爪を立てる。互いの肉を貪るだけといったように獣じみた乱暴なキスの合間に眼を開けた帝人は、ゾクゾクと悩ましい臨也の視線に、うっとりとした溜息を吐き出した。
薄い下草の奥に潜む果実は完熟し頭をもたげ始め、じゅくじゅくと淫らな果汁を漏らしながら――この美しい獣に食べられるのを、待っている。
何もかも、全て。この人に捧げる準備はもうできているのだと、帝人は臨也の張り出した肩甲骨に爪を立てた。
自分だって彼が欲しくて食べたくてたまらないと告げるように、ゆるゆると軽く引っかきながら。
急激に上昇してゆくような錯覚さえ覚える室内には、帝人の甘美な嬌声と悩ましい溜息が霧散してゆくばかりだった。



――後日ベッドから起き上がれなくなるほど貪欲に求められた帝人は、出かける機会を失った事と全身に宿る痛みへの恨みを臨也にぶつけていたが、手厚く介抱されてあっさり機嫌を戻す。
随分と絆されたもんだなと呟かれればそれは自分の方ですと反発し、二人して自然と笑みが漏れた。
翌週から帝人の薬指は銀に煌めく証が宿り、名刺にも新しい名が刻まれることになる。彼の名前を冠した、新しい名が――


END

如何でしたでしょうか?ラストが妙にエロくなったのはBGMがジャンヌだったせいだと思います…エロいんですよね全く!ジャンヌは臨也イメージなエロイ歌が多いのです!
「いい夫婦にならない?」って場面だけ書きたかったんですが、だらだら書いてしまいました。
如何でしたでしょうか?少しでも楽しんで頂ければ幸いです!