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飛牙マサラ
飛牙マサラ
novelistID. 13959
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The lovers of the age differen

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その日、昼下がりの骨董屋は今日はとても静かであった。店は定休日であり、客は当然折らず、また彼らの養い子は従業員たちとのピクニックに行ってしまっているので、今ここにいるのはゼロスとフィリアの二人だけになっていた。
「さてさて、今頃何処にいるんでしょうねえ」
「ヴァルも大分大きくなりましたからどっちが保護者だか分からないことにはなってるでしょうけど」
「まあ、しっかりしてきてますからねえ。小生意気とも言いますけど」
 二人ともその様子はありありと目に浮かぶものの、それでも彼らはどうにかなるだろうしするだろうことは分かっていたのでそれ以上は突っ込まないでおく。
 どうせ帰ってきたときには山ほどの土産話を聞かされるに違いないのだから。
 それよりは今は二人の時間を楽しみたい。
 いつものように賑やかなのは決して悪くはないが、たまにはこんな時間があってもいい。
 静かに、静かに、穏やかに時間がゆっくり流れていく。
 小さなティーテーブルを挟んで向かい合い、とりとめないお喋りに花を咲かせながら二人の時間をただ単純に楽しむ。
 そうしているうちにいつの間にかたっぷり用意されていたはずの香茶もお菓子も少なくなってきていた。
「美味しいからつい食べ過ぎますね、フィリアのお菓子は」
「うふふ、有り難う御座います。ゼロスにそう言って貰えるのが一番嬉しいんですけど」
 香茶のお代わりを用意すべくフィリアが立ち上がると、ゼロスがその手を捕らえた。
「ゼロス?」
 フィリアが訝しみつつ、恋人の方を見遣るとにっこりとゼロスは微笑い、彼女を抱き寄せる。
「幾らでも食べられますよ、あなたのならね」
 フィリアの顎をクイッと持ち上げ、ゼロスは軽く唇を重ねた。そのまま軽く触れ合う程度の口づけを何度か繰り返し、二人の影は漸く少し離れるが、ゼロスはフィリアを腕の中から解放して逸らないままだった。
「……食べるの意味、違いません?」
「違いません」
 にっこりとゼロスは言い放ち、フィリアの異論を認めない。
「本当にあなたって人は」
 呆れているのか、感心しているのか分からない口調でフィリアは言い、ふと思い付いたことを尋ねてみることにした。今更ではあるが、聞いて見たいことが実はある。
「ねえ、ゼロス」
「何ですか?」
「前から思っていたんですけど、あなたと私の年の差って幾つなのかしら」