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もう一つのお日様

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お日様は一つだけ。

そう教えられた私たちは疑問を持たなかった。
どうして、お日様は一つだけなんだろう、と。

その答えが今、分かったような気がした。


もう一つのお日様


ある晴れた朝のこと。


朝陽が反射した銀の髪の男。
自分の隣で寝ている彼に。

そっと、小さな口付けをした。

「白蘭」

名前を呼んで、その銀髪を撫でて。
やさしく、やさしく。その彼を起こした。

「ユニちゃん…?」

背中に回された腕に僅かな力が込められると、私の体は簡単に彼に傾いてしまう。
それは無意識からの行動。そしてまだ覚醒していない彼にもう一度だけ口付けて。

ふと、緩んだ腕からするりと抜け出して微笑みかけた。

「起きましたか?朝です。ご飯にしましょう」

作品名:もう一つのお日様 作家名:煉@切れ痔