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こらぼでほすと HGP番外編6

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今日から昼寝しないから、と、朝から宣言していたので、とりあえず好きにさせておこうと、他のマイスターは視線で確認した。どうせ、昼ご飯の後で、ぐーすかぴーとソファに転がっているだろうと思っていたからだ。というのも、ここんとこ、毎朝、ロックオンは、そう宣言するのだが、だいたい、午後二時前に、どっかで潰れているからだ。基本的に、刹那が傍にへばりついているから、どっかで潰れていても、アレルヤが回収することになっている。

 本日も、そんなことだ、と、高を括っていたら、なんと、夕刻まで起きていた。

「ロックオン、大丈夫か? 」

 いつもなら休憩とか言いつつ、どっかに座り込むのに、それすらしなかったから、刹那のほうは心配だ。

「あのな、別に悪いわけじゃないんだから、大丈夫だぞ。だいたい、おまえら、過保護すぎるんだってーの。」

 晩御飯の準備をしつつ、ロックオンはそう言う。

「けれどね、ロックオン。僕やティエリアと違って、ロックオンは風邪をひいたりして回復が遅れてただろ? 」

「おまえ、それから何日経ったと思ってるんだよ? 一ヶ月も響くもんじゃねぇーよ。」

「だが、先日も日射病で倒れていたと記憶しているんだが? 」

「・・・あれは・・・たまたまだ。たまたま。・・・それより、ティエリア、それは、あんまりじゃないか? 」

 本日のメニューは餃子と青梗菜とエビのスープというシンプルなものだが、餃子を具材から作って包むということまでやっているので、四人総出で包んでいる。不器用なティエリアと刹那には期待してはいないが、それでも、具がはみ出した餃子は、あまりおいしそうには見えない。

 先日、八戒が追加レシピをくれて、実演してくれたのが餃子と春巻きとシュウマイだった。これなら、子猫たちもお手伝いできるだろうということだったのだが、他人様にお出しできる代物ではない。

「ちゃんと何グラムか計量させてくれれば包めると言っている。」

 で、紫子猫の屁理屈はこうだ。いちいち、計量するもんではないと、ロックオンが却下したのだが、目一杯、詰め込もうとするから皮が破れてしまう。

「そうじゃなくてさ、目分量でな。ほら、このティースプーン一杯山盛りぐらいを掬え。・・・刹那くーん? それは、何かなぁー? 」

 もはや、刹那に至っては、包む気がない。肉団子みたいに丸めて、その上に皮を貼り付けるという大胆な餃子になっている。

「いいじゃない、肉団子だと思えば、そういうもんかもしれないよ? ロックオン。」

 そして、唯一、料理が出来るアレルヤは、ちまちまと綺麗に餃子を作り上げている。確かに、これらは水餃子になるので茹でるから、肉団子としても問題はない。

「もう、おまえは杏仁豆腐でも作ってろ、刹那。」

 デザートにするつもりで用意していた杏仁豆腐の箱を刹那に突き出す。これは、牛乳をいれて市販の粉と混ぜるだけだから誰がやっても失敗はない。

「ああ、刹那、それ、後で果物も入れるからね。」

「さくらんぼもか? 」

「うん、それもいれるよ。気に入ったんだね? 」

「アレルヤ、俺は白桃とマスカットを入れて欲しい。」

 ティエリアも希望を言うので、それを見て、ロックオンは微笑む。今まで、栄養摂取が重要で食材には拘らなかったティエリアが、おいしいと思うものが増えてきたからだ。刹那のほうは、以前からロックオンが餌付けしていたから、好きなものが多少ある。だが、ここの食材は高級品ばかりなので、今後、CBに戻った時に困りそうな気はする。



 百個の餃子というか、一部餃子もどきも含まれていたが、それらを作り終わる頃に、いつもの夕食時間になっていた。さっさかと茹でて、スープを作り夕食を食べる。

 食べ盛りばかりだから、あっという間に、餃子はなくなった。デザートまで、綺麗に食べ尽くし洗い物をしたら部屋に戻る。

 それからは、それぞれ別のことをしている自由時間だ。テレビでも見るか、と、ロックオンが、ごろりとソファに寝ろ転ぶと、その前の床で刹那が背筋を鍛えるストレッチをやっていたりする。

 歯磨きをしたティエリアがロックオンの頭を持ち上げて、そこへ腰を下ろした。もちろん、ロックオンの頭はティエリアの膝の上だ。

「何? 」

「邪魔だったから移動させた。」

「向こうへ座れよ。」

「その意見は受け付けない。」

 もう、と、起き上がって、反対のソファの端に頭を乗せて、足を折って寝転び直したら、アレルヤが風呂から上がってきた。

「ロックオン、お風呂に入ったら? それで、一緒にビールでも、どう? 」

「ああ、それいいな。じゃっ、お先に。」

 スタスタと起き出して風呂に消えたロックオンに、アレルヤは苦笑する。そろそろ眠そうな顔をしている。

「どう思う? 」

「すぐに潰れる。」

「アレルヤ、ビールを飲ませるなら責任を持ってベッドまで運べ。」

 刹那もティエリアも、意見としては一緒だ。昼寝をしなかったのだから、潰れるまでの時間は短いだろう。まだ九時だが、ふあーふあーと欠伸ばかりしているところを見ると、十時には就寝しそうだ。

「ティエリアも少し飲んでみる? 」

「苦いものはいらない。」

「あれ? 」

「この間、ちょっと飲んだが苦かった。」

 アレルヤが付き合うなら、自分も、と、試しに飲んでみたが、大変苦くてまずかった。あれを、ごくごく飲んでいるヤツの気が知れないと、アレルヤに言うと、アレルヤは微かに笑った。

「喉が渇いている時は、その喉ごしがいいんだけどね。」

「トレーニングの後とかか? 」

「うん、そういう時。」

 ふーん、と、ティエリアが納得したのか、してないのか、よくわからない顔で頷いている。一通りのストレッチをやった刹那がパタパタと廊下へ走っていった。単独行動はいつものことなので、大して気にしないアレルヤとティエリアは、それから、のんびりとテレビを眺めていた。

 十分もしないうちに、刹那が戻ってきた。手には五本ばかりのビールがある。

「ああ、そうか。こっちには入れてなかったもんね。ありがとう、刹那。」

「ロックオンは、これを飲んでた。」

 差し出された、それを手にしてティエリアは、「あっ」 と、声を出して肩を振るわせる。

「刹那、これは守秘義務違反だ。」

「飲み物に守秘義務なんかない。」

 冷蔵庫に、それを収めると、刹那は風呂場へ走り去る。浴槽で、転寝していないか様子を見に行ったらしい。

「まあ、いいだろう。アレルヤ、ロックオンの故郷の銘柄だ。きみは知らないだろ? 」

 あの時は三人だったから、その経緯をアレルヤは知らない。この機会に、と、ティエリアは、その時のことを掻い摘んで説明した。

「そんなことが? でも、よかったの? 」

「別に構わない。きみだけが知らないのは、公平ではない。」

「ありがとう。・・・・そう、すごいことがあったんだね。でも、あの二人、ちっとも変わらないんだね。」