無題
(私が憎んでいたのはあくまでゼロであり、ルルーシュじゃなかった。ルルーシュのことは特別好きというわけでも嫌いというわけでもなかったけど、死んでしまったとなるとほんの少し同情心が沸いてしまった。ユーフェミアさまが死んだとき、私にあれだけの憎しみを産み落とさせた男だというのに。今じゃ生徒会のイベントで眉を下げて「全く会長は、」と小言を言いながらも楽しそうな、そんなルルーシュの姿しか思い出せない。私は、こういうときに死んだ人間はずるいなって思う。死んだ人間を責め続けても、背徳感と虚しさしか生まれてこない。そうして近い将来、背徳感だとか虚しさに疲れた私はルルーシュを憎むことをやめてしまうのだ。私が憎んでいたのはあくまでゼロであり、ルルーシュじゃなかった。殺してやろうと思っていたのは、ルルーシュじゃなかった。そんな風に考えるようになってしまうのだ。)