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こらぼでほすと すとーかー4

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着の身気のままで、避難したので着替えだけ届けようと、ティエリアが言うので、アレルヤが適当に着替えを用意した。本当は、心配しているくせに、それは口にしたくないティエリアが、とっても可愛いとか、アレルヤは思っている。

 アスランから場所をメモしてもらって、タクシーで辿り着いたところは、立派なお寺だった。その境内に、ぽつんと刹那が座り込んでいる。

「刹那、何してるの? 」

「草むしり」

 刹那のほうは、悟空から借りたらしい甚平姿で、頭に麦藁帽子まで被っていた。体型的には、悟空より小柄だから、ちょっと大きい。

「ロックオンは、どうした? 」

「まだ寝てるはずだ。」

 朝から軽く周辺を走った刹那が戻っても、まだ布団の中だった。ストレッチでもするか、と、思っていたら、卓袱台で何か書きものをしていた三蔵から、境内の草むしりを命じられた。働かざるもの食うべからずということだろうと、刹那は、それを実行している。

「じゃあ、僕らも手伝うよ。どうせ、やることもないし暇だからね。」

「俺は、三蔵に挨拶して、ロックオンの様子を見てくる。」

 アレルヤの持っていた紙袋を取り上げると、ティエリアのほうは、スタスタと境内を横切っていった。家のほうへティエリアが消えてから、アレルヤはクスリと笑って、「どうして、素直に心配してるって言えないんだろうね? 」 と、刹那に呟いた。





 目が覚めて、最初に感じたのは、腰が痛いだという事実が、すっごくブルーだ、と、ロックオンは起き上がった。キラぐらいの加重で、翌日、これというのは、かなり情けない。客間から、起き出して、とりあえず洗面所へ出向いて身支度を整えてから、居間のほうへ顔を出したら、三蔵が卓袱台で何かの書類を書いていた。

「おう、お疲れだな? 」

「おはようございます、三蔵さん。・・・・・すいません、寝過ごしました。」

「いや、かまわねぇーよ。それより、それはあんまりだから、もうちょっと直せないか?」

「え? ・・ああ・・・・はははは。」

 寝間着代わりに、と、三蔵が貸してくれたのは浴衣というやつで、文化圏の違うロックオンには着方さえわからない代物だった。バスローブみたいなもんだと言われて、そういうふうに着てみたが、寝ている間にすっかりと肌蹴ている。

 着直してから、三蔵の仕事を間近で見ると、なんだか小難しい文字が紙に書き付けられている。

「それは? 」

「戒名っていうやつなんだが・・・・・あっちにはないな。こっちだと、おまえらのいう天国に行くのに名前が必要になるんだよ。その名付けは、坊主の仕事だ。・・・・メシは、台所にあるから食えよ、ロックオン。」

 メガネをかけて筆ペンで、さらさらと文字を書いて仕事しているところを見ると、三蔵さんも本職は真面目にやってんだな、と、内心で感心しつつ、台所へ向う。鍋には、味噌汁と炊飯器には白メシという非常にわかりやすい食事が準備されている。前回、ここに泊まった時も、こういう陣容だったので、ロックオンも慣れたものだ。あんまり食欲もないから、ごはんの上に味噌汁をぶっかけて、それをわしわしと食べるという猫まんまスタイルだったりする。

「おい、食う時は座れ。」

 そのまんま立って台所で食べていると、三蔵から叱責が飛んでくるが、すでに、食べ終わっていたりするぐらい超簡単な食事だ。並んでいる食器を洗ってしまおうとしていたら、外から声がする。

 この家は、全てがセルフサービスなので、主人が挨拶の声ぐらいで玄関に出向くことはない。慣れている客は、そのまま上がってくるが、今日の客は上がってくる気配がないので、ロックオンが応対に出た。

「おう、ティエリア。」

「なんですか? そのだらしない格好は? 」

「え? これ、すぐに肌蹴るんだよな。・・・それより、どうした? 」

「着替えを届けに来ました。」

「おまえ、メシ食ったか? 」

「それは、朝食を指している質問なら愚問ですよ? ロックオン。そろそろ、正午になろうかという時間です。」

「げっっ。」

「つまり、今まで寝ていたわけですか? 」

 ねちねちと責める体勢に入っているティエリアに、まずい、と、ロックオンもたじろぐ。ここで、その攻撃をされたら、さらに神経が弱りそうだ。だが、ティエリアは、「とりあえず、三蔵さんにご挨拶を。」 と、案内しろと言う。

「それから、あなたは速やかに着替えてください。その格好でうろうろするのは公序良俗違反に該当します。」

 バンっと紙袋を押し付けて、ティエリアが微笑む。八戒ほどの威力はないが、それでも笑顔の背後の冷たいオーラは痛い。三蔵に声をかけて、客間で着替えて戻ったら、ティエリアが、ちゃんと挨拶していて、さらにびっくりするロックオンだ。

「この度は、ご迷惑をおかけしています、三蔵さん。」

「別に迷惑とはおもっちゃいねぇー。」

「そうですか、ご助力ありがとうございます。」

「・・・・おまえ・・・なんか悪いモンでも食ったか? ティエリア・・・・・」

 女王様な性格で、ほぼ上から視線でしか会話しないティエリアが、ちゃんと挨拶して礼を言っているのが、とても珍しい。

「意味がわかりません。こういう場合は、きちんとお礼を申し上げるべきだと、こちらの作法にありましたので、それに従っているまでです。」

 そんな作法はあっただろーか、と、高僧様は考える。そういう儀礼的なことなんて、周辺には皆無だ。

「まあ、それほど堅苦しく考えなくていい。・・・・おい、ロックオン、茶入れろ。」

 着替えて顔を出したロックオンに、三蔵は頼む。ある意味、おさんどんをしてくれる便利なロックオンがいると、三蔵としては、非常に有難い。そういう意味では、ギブアンドテイクが成立している。

「昼、どうしますか? 」

 お茶を入れつつ、ロックオンも気にせず尋ねている。こちらも、勝手知ったる家だし、遠慮もない。

「冷蔵庫のモンで、何か付け足しすりゃいいだろう。」

「野菜炒めあたりですか? 」

「おう、そのあたりでいいぞ。」

 あんたら、長年連れ添った夫婦ですか? と、悟浄が居たらツッコミが入るところだが、生憎、ツッコミ担当は不在だ。

「慣れなれしすぎる。」

 ティエリアは憤慨するのだが、これには訳がある。ロックオンと刹那は、一ヶ月、バイトで「吉祥富貴」に居たから、みな、顔見知りという程度より親密になっているからだ。対して、ティエリアたちは限定一日だったし、貸し出しミッションに参加したものたちとも母艦が離れていた関係で、それほど親しくはないのだ。

「はいはい、わかったよ。」

「あなたは誰とでも、そうやって親しくなる。」

「なんで、そこで拗ねるかねぇーおまえさんは。」

「ティエリア、おまえのかーちゃんを取るつもりはないから安心しろ。」

「三蔵さん、あんたまで、『かーちゃん』とか言うのはやめてくれ。」

「他に適切な表現があるなら、直してやる。・・・・とりあえず、俺は、これを終わらせたいから、おまえらは、どっかへ移動しろ。」