Last Memory
Last Memory
とある日の昼下がり、神楽は万事屋のテラスに肘を置き、いつものように酢昆布を口にくわえながら、前の通りを走る子供の姿をぼんやりと目で追いかけていた。
数人の男の子達が走っていくのを見ていた時、
「私ね大きくなったら、お兄ちゃんのお嫁さんになるッ!!」
可愛らしい少女の声が聞こえて、その声のした方に目線を移した。
目線の先には、4,5歳ぐらいの少女と10歳前後の兄と思われる少年が仲良さそうに笑い合っていて、彼らはお互いの手を握っていた。
その光景に神楽は、幼い頃の自分の姿を重ねた
作品名:Last Memory 作家名:鈴音