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愛情過多

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「ばぁか。言っただろ、オレこう見えてもすっげー一途なんよ。四年前からオマエ以外見てねぇし、触れてもねぇ。オレん中での女はオマエ一人だ。オマエ以外にいねぇんだよ」
「…え?」
「あのさぁ、オレだって好きな女の前じゃ格好つけたいわけ。いざってときに焦ってたらマジだせぇし。つかありえねぇし」
「……ええと、それって…」
「オレにはオマエだけだってこと。そんくらい分かれっつーの」

意味を把握した途端、ぶわっと頬に赤味が戻っていく。
それと同時にヒジリの左手がシャツの裾からするすると肌を撫で始めた。
先程までのキスよりもずっと慎重に、アキラの顔を窺いながら辿っていく指先はヒジリの言葉通り手馴れているものとは違うような気がする。
熱っぽく見詰めてくる瞳に余裕はそれほど感じられない。
ヒジリもアキラと同じように必死なのかもしれない―――そう思うと一気に心が軽くなった。

「…ね、ヒジリくん。優しくしてね」
「んな難しい注文つけんなよ。オマエに夢中になってがっつきそうな気がしてんのに…」
「だめ。格好、つけてくれるんでしょ?」
「……マジでうぜぇ、オレがうぜぇ。んなこと言わなきゃよかったぜ」
「でもヒジリくんは優しくしてくれるって信じてるよ」

まだ少し怖くて震える手をヒジリの首に回した。
困った顔をしながらもヒジリの目はとても優しい色を含んでいる。

「…仕方ねぇな、オマエがそういうならやってやらぁ。すげー優しくして、とろっとろに溶かして、気持ちよくさせてやんよ」
「何かちょっと不穏なものを感じるけど…うん、お願いします」
「四年分纏めてオマエのことたっぷり愛してやる。アキラ、これからずっとオレにだけ愛されとけ。オレだけ愛してろ。オレは世界よりオマエのこと愛してんだよ。だから応えろ。オレだけのもんになっちまえ。嫌だっつってもしちまうけど」

ヒジリの目に赤い情欲が宿る。
小さな胸を包み込んだ掌は少しだけ汗ばんでいた。
ブラジャーを摺り下げるようにしてヒジリの手がアキラの丸みを暴いていく。
言葉よりも雄弁にヒジリの行動と瞳がヒジリの胸の内を語っているようだった。

「そんなの…っ、私の気持ち、全部知ってるくせに…ぁ、ん…!」

世界を選択をした時点でアキラの気持ちはヒジリのみならず事情を知る人間全員に筒抜けになっている。
心からアキラはヒジリを愛しているのだと。
知らず世界を決断するほどの気持ちで。

「んなの、全然足りねぇ…もっと愛してるって言ってくんねぇと」
「ひぁっ…ヒジリ、くん…っ!あ、愛して、る、…んっ、…ぁ……」
「マジ可愛い。すげーいい声。やべぇな…マジ興奮すんだけど。オマエの声聞いてるだけで出ちまいそー…」

ヒジリの指先がカリ、とアキラの胸の先を掻いた。
初めての刺激は思っていたより強く、口を引き結ぼうとするのに上手くいかない。
荒く呼吸をして熱を逃そうとしてもヒジリのくちびるがそれを阻むように塞いできて、ぐるぐると身体の中を熱が渦巻いた。
時折反応を楽しむように擦り付けられるヒジリの腰元が既に硬い熱を持っていることに気づき、アキラはぎゅうっと強く両目を瞑る。

「愛してんぜ、アキラ…」

目蓋に押し付けられるくちびるに、目の奥がじくりと痛むように熱を持つ。
蕩けるように溢れ出ていく感情と快感に流されないよう、アキラは褐色の肌にキチ、と爪を立てた。
作品名:愛情過多 作家名:ユズキ