こらぼでほすと 逆転
「だから金で処理するんだろ? 」
「俺、マリューさんを尊敬するよ。あんたと付き合える根性がすごい。」
「マリューは、ほんと男前な性格だからな。そういう金でやってることについては黙認してる。だいたいなーお互い、仕事があるんだから、同居してても顔合わせるのが難しいんだ。」
「え? 同居? 」
「同居というか、同じマンションだから、どっちかの部屋に帰って来るという感じだ。」
こんな調子で食事しているから、確かに、ストレスにはならない。それに、下世話な会話なんて、刹那たちとはできなかったから、そういう意味では新鮮でもある。そんな会話をして食事しているので、すっかりと鷹の日頃の行いというのは理解できた。別に無差別に美少年を漁っているわけではないらしい。
うとうとと昼寝していたら、かさりと物音がした。こんな時間に、鷹が戻ってくることはないので、目を開けたら、「あら、起しちゃった? 」 という女性の声がして飛び起きた。
「・・え・・・マッマリューさん? 」
ベッドの横には、何かしら書類を手にして椅子に腰掛けているマリューがいて、陽気に手を挙げている。
「ムウが、護衛のバイトで留守にするっていうから、代わりに監視に来たの。どう? うちのムウは優しくしてるかしら? 」
「はっはい? 」
「年齢さえもう少し下なら、ムウのお好みストライクど真ん中なのよね。だから、いろいろ手を出されてないかな、と、思ったんだけど。」
「マッマリューさん、それを俺に言いますか? 」
「あはははは・・・・言いますよ? それぐらい言わせてもらってもいいでしょ? 私はほっぽっておいて、あなたの看病してるんだから。」
「・・あ・・・すっすいません・・・」
ぺこぺこ謝ったら、思いっきり噴出して、ゲラゲラとマリューは笑っている。どうやら冗談らしい。いつも陽気な人だが、さすがに、びっくりした。
「あははは・・・真面目ねぇーロックオン。そこは、私に妬かせる言葉のひとつもちょうだいよ。」
「そんなこと言われても・・・思いつきませんよ。」
笑いすぎて、喉が渇いたと、屋敷の内線で飲み物を頼んでいる。キラの元上司だと聞いているから、ここにも出入りしている様子だ。
作品名:こらぼでほすと 逆転 作家名:篠義