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eclosion

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ロックベル家の前庭で、芝生の上を黒い犬と金色の少女がころがりながらはしゃいでいる。
エドは白地に花柄のワンピースを着ている。あたしのお古だ。エドは抵抗あったようだが、エド達の家は焼いてしまったから、あたしのお古しか丁度いいサイズの服が無かったのだ。
あたしとアルは春の日差しを浴びながら、テラスでそれを眺めている。
ころころと笑う、真珠と金と砂糖菓子でできたような、少女。
「あれに、アレがついてるなんて、どー見たって間違ってるわ」
「ウィンリィ・・・」
アルは困ったように笑う。
もうね、アルもさすがはエドの弟よね。自分が鎧になっちゃってたのと比べれば、真珠から生まれようと凸と凹がついてよーと、人間の姿ってだけで全然オッケーらしく、何だかずっとニコニコしている。
「でもね。まあ兄さんもずっとあのままっていう訳にはいかないと思うし」
何せ、不老不死だ。芝生で転がって頬を切っても、デンがぺろりと舐めた後にはもう何も無い。
「またボクら旅に出ることに決めたんだ。シンの錬丹術にヒントがあるんじゃないかって、昨日兄さんと話してて」
「あっそう。好きにすれば」
もう、この兄弟はどこまでも勝手なんだから。ばっちゃんの言うとおりだわ。錬金術師なんて、もう、どうしようもない輩なのだ。
だからばっちゃんも、あたしも。
怒った風な顔で、こう言うしかないのよ。
「でもたまには、ごはん食べに帰ってきなさいよ」


それから。
夢のように美しく鬼のように口の悪い最強少女と、彼女の従者で操縦者の温和な最強青年との、長い長い珍道中が始まるのだが。
それはまた、別のお話。



おわり。

作品名:eclosion 作家名:utanekob