二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

名 前

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

 誕生日祝いにといただいた赤い薔薇も、おめでとうという言葉も、疲れを押して遠方から訪れてくれるのももちろん嬉しいけれど、それ以上に心を心地よく締め付けてくるような、それでいて温かいと思うのだ。



 客間に布団を敷いて部屋を暖めたら、アーサーさんにはそちらに移って貰おう。夕飯は少し遅めでいいだろうか、温かいけれどあっさりしたものならば寝起きでも食べられるだろう、お風呂は食後にゆっくり入っていただこうか。
 ああそうだ、いただいた花を生けなければ、と床の間にあった花瓶に手を伸ばす。午前中の式典でいただいた白い菊が慎ましやかに鎮座しているそれにあの赤い薔薇を生けたら、
「紅白って感じにおめでたくなりますかねえ?」
 思わず漏れた独り言に苦笑して、いそいそと花瓶を持ち上げたのだった。
作品名:名 前 作家名:なずな