チョコレート
ありがとうの日
「どうぞ」
とにこやかに。
サンプルなのだとバイトの少女たちに大量に持たされた。
それは小さなチョコレート。
ああ・・・そういや今日はバレンタインデーだっけか・・・
「ありがとさん」
そしてすぐに思い浮かんだのがバレンタインデーなんて知らないだろうアイツらの顔。
買出しを終えた早々にであった面々に配る。
刹那はお返しにリンゴをくれた(刹那なりにこの日を理解しているのかもしれない)
ティエリアにも知ってはいたらしくため息を盛大に吐かれたが受け取ってもらえた。
(というかこの日を知っていることに驚いたのは言わないほうが懸命だな)
そしてアレルヤとハレルヤ。
アレルヤはやはり知らなかったようで不思議そうだったが一つ口に入れたら口が綻んだ。
そんな嬉しそうな顔をされるともっと、何かしたくなる。
そして・・・、優しさに慣れないハレルヤの可愛い抵抗に思わず笑みが浮かんだ。
ああ・・・聞かれたら教えてやろう。
今日は ありがとう を伝える日なんだって