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前世を言っても聞かないよ

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「って言ってもよー、下着まではサイズ、見りゃわかったから鞄に突っ込んどいたけど、靴はわかんねって。」
「え、25センチでしょ?」
俺様は何気なく呟いた。
が、チカちゃんと伊達ちゃんは驚いた顔を突合せ、ジェスチャーだけで会話している。
俺様をチカちゃんが親指で指して、伊達ちゃんが首を振った。
そしておもむろに、口を開く。
「やっぱあれか、オレたち、佐助に弄ばれてんだな?」
「そうみたいだよなー、すげえ遊び人じゃん、佐助。」
ハアー、とわざとらしげな溜息を二人同時のタイミングで吐く。
「え?!ちょ、ちょっと二人とも何それ?!」
「女の靴と指輪のサイズ。」
「教えもしねーのに把握してるのは、よっぽどの遊び人だって世間の相場、知らねえのか?」
慌てる俺様に、女の子二人はニヤニヤと口の端を歪めて。
「あーあ、遊ばれたー。」
「ほーんと、がっかりだぜー。」
などと笑い合う。
いや、どう見ても遊ばれてるの、俺様だから!!

「だって靴なんて、体重関係なしに身長から解るもんでしょーっ?!」

などと叫ぶ俺様の声は、空と海とに消えていった。
海鳥が頭上で鳴いて、俺様は遣る瀬無かった。