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こらぼでほすと 留守番4

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 被害者って、誰か怪我でもしたんですか? と、アスランは慌てたが、カラカラと笑って八戒が手を振る。
「ロックオンが、疲れたって寝てるだけですよ、アスラン。」
「あの毒電波は、きついって、八戒。」
 食事の後で、いつもなら後片付けに勤しむロックオンが、「すいません。」 と、ギブアップした。午前中にドタバタと走り回っていたのが堪えたらしい。
「そういうことなら、予定通り、刹那を連れて行ってもいいですね。」
「おう、ついでに、ティエリアとアレルヤも連れて行ってやれよ。あいつらも世間知らずらしいから喜ぶだろ。」
「こちらには、僕らが夕方まで居座ります。」
「わかりました。」
 シフトを完全に入れ替えた。現在、こちらに顔を出すため、八戒たちが一番遅く出勤してクローズを担当している。キラたちは、定刻通りに出勤だが、それでもいつもより遅めにしている。最初のオープンから掃除なんかを、シン、レイ、紅たちバイト組で、やってもらって、ローテーションを回している状態だったが、変態ストーカーを撃退したから、そのうち通常に戻すことになるだろう。
「で、キラくんは? 」
 と、八戒が尋ねたら、客間から、「うるせぇーいっっ。」 と、ロックオンが怒鳴っている声が響いた。
「あそこにいます。」
「早く連れ出してあげてください。」
 たぶん、キラが、ロックオンの寝ている横で、きゃっきゃっと暴れているのだろう。本当に天然で悪気がないから、性質が悪い。

 熱はないの? お医者さん呼ぶ? と、ロックオンが寝ている横で、キラは、ドタバタと慌てている。刹那が、熱はない、とか、医者はいらない、とか、いちいち返事しているのだが、キラは聞いていない。ロックオンの額に手をやってみたり、首筋に手を当てて熱を測っている。
 きゃいきゃいと、傍で叫ばれたら、いくら疲れていても、ロックオンだって目が覚める。
「・・・疲れただけだ・・・刹那たちの相手をしてくれ・・・」
 一応、丁寧に頼んでみたが、キラは、大人しくなることはない。お水はいらない? とか、果物は? とか、まだ構おうとする。ぴきぴきとこめかみの血管が動いているロックオンは、さすがにキレた。
「うるせぇーいっっ。さっさと出てけっっ。」
 その声で、アレルヤがやってきて、ようやくキラを捕獲して連れ出してくれた。ティエリアが刹那も追い出そうとしたが、こちらは布団の端を掴んで、断固阻止の態勢だ。
「刹那、ロックオンは寝かせてやれ。」
「俺が看病する。」
「それは、俺がやるから、おまえはキラと出かけろ。約束していたんだろう?」
「それは反故にする。」
 で、今度は子猫同士で、親猫の取り合いだ。心配してくれるのはわかるが、とにかく寝かせて欲しい。
「ふたりとも、俺は眠いんだ。おまえらも出て行け。ティエリア、刹那と一緒にキラたちと出かけてくれ。・・・頼むから・・・」
 走り回ったり、妙な緊張感で気が張り詰めたりで、本当に疲れて眠いから、ロックオンも泣きそうな声で頼む。
「二人とも、ロックオンさんは疲れてるんだから、そっとしてあげたほうがいいんだよ。ほら、出ておいで。一緒に、出かけよう。」
 アスランが、静かに障子を開けて、そう声をかけた。別に具合が悪いわけではない。疲れてるんだから、寝かせてあげれば回復する、と、説明すると、ティエリアと刹那も渋々、立ち上がる。ふたりが出てから、障子を閉める時に、すでにロックオンはぐったりと寝ていた。お疲れ様、と、微笑みつつ、アスランは子守りに出かけた。
作品名:こらぼでほすと 留守番4 作家名:篠義