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こらぼでほすと 留守番4

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 刹那もロックオンも、え? という口で突っ立っている。いろいろとツッコミどころ満載過ぎて、どこをツッコむべきかわからない。
「はあ? 」
「僕ら、こういう武術を取得しているんです。中華拳法の一種だと思ってください。」
「あの武器、どこから現れたんですか? 」
「あれ、携帯している時は、小さく畳めるんです。それより、寒いから中へ入りましょう。アレハレルヤくん、悟浄と事後処理をお願いしますね。」
 非戦闘員は邪魔だ、と、八戒が家へと誘導する。畳めるって、あれ、そんな代物か? と、疑問には思ったが、ロックオンも口を挟まなかった。『吉祥富貴』は普通ではない。特殊な人間がいても不思議ではない、むしろ当たり前だ。
「しかぁーしっっっ、その武器の弱点は見切ったぞっっ。運命の恋人よ、いざ,行かんっっ。」
 悟浄の鎌から、無理矢理、脱出すると、ストーカーは、刹那に向かって走ってくる。そういうもんじゃないんだけどな、と、しゅるりと、悟浄が、鎌は鎖で本体と繋がっている。本体を背後に一振りすると、土塀から鎌が抜けて出る。それから、鎌の部分を錘にして投げて、ストーカーの両足に鎖を巻きつけた。両足を固定されて顔面を強打した模様だが、それでも意識はあるのか、うごうごと蠢いている。
「アレハレルヤ、とりあえず、タコ殴りな? それから、公園へ捨てて来い。」
 一応、殺さない程度で動けないようにしとけ、と、命じて役目は終わったとばかりに、悟浄はタバコに火を点ける。その間に、活躍できなかったハレルヤが、ボコボコと蹴り倒している。
「悟浄、その姿、携帯で写メして、キラに送ってください。」
「おう、それがいいな。」
 ボロボロになった姿を、あっちこっちに送られたら、それだけで、この現役軍人の信用は失墜する。それらの言い訳に奔走させておけば、こちらへの被害はなくなるだろうと八戒は思っていた。
 しかし、だ。もう気絶しただろうと、悟浄が鎖を外したら、アレハレルヤが足払いでひっくり返された。
「ええ? まだ生きてんのか? 変態っっ。」
 おいおい、と、悟浄が笑っている。しかし、動く気配はない。さすがに、飛び道具では、刹那たちにも怪我をさせる。ウインクして、「ファイナルはお任せ。」 と、八戒に合図した。
「やれやれ、どこまで強靭なんですかね? 」
 よろよろしているが、それでも確実に走ってくるストーカーに、八戒も苦笑する。ロックオンが前へ出ようとして、それを刹那が止めて、自分が前に出る。こうなったら、叩き殺すっっ、と、殺気全開だが、それをかわして八戒は、その前に出た。
「まあ、僕の見せ場ですから。」
 ニコニコと爽やかに笑いつつ、八戒が一番前に出た。
「少年、私の愛は不滅だ。なにがあろうと・・・・ぐはっっっっ。」
 まっすぐに突っ込んできたストーカーに、八戒が手の平を前にして差し出す。もちろん、相手も、それを払おうと動いたが、その前に、思いっ切りよく吹き飛ばされた。五メーターばかり吹き飛んで、その場に大の字で倒れている。一瞬のことで、マイスター組は、言葉もない。以前、八戒が気功波を当ててくれたことはあるが、そんなものではなかった。
「僕のは、気功波といいます。普段は、マッサージで使ってる能力ですが、本気でやると、こういうこともできるんですよ。悟浄、捨てて来てくださいね。それから、アレハレルヤくん、蹴りが甘すぎますよ。もう少しきつめに、やっておいてください。肋骨を何本か折っておかないと、すぐに復活してしまいますからね。」
 さあさあ、中へ入りましょう、と、何食わぬ顔で八戒が、茫然としている三人を促して家に入る。今、さら~っと怖いことを言ったはずだが、それすら、スルーの方向だ。
 さらに、悟浄が、「肺とか心臓に肋骨が刺さると、まずいから、俺がやるわ。おまえら、それ以外を凹れ。」 と、指示を出して涼しい顔で、どすっと足で踏みつけている。どこをどう踏めば、肋骨が折れるか、悟浄は理解しているということだ。
「悟浄さん、なんで、そんなに強いの? 」
 アレルヤは、びっくりだが、尊敬の眼差しなんか向けている。MSには詳しくないが、肉弾戦なら、どうとでもなるほど、悟浄たちも別の意味の修羅場を潜っている。『吉祥富貴』では、少数派だが、対人なら、他の者も敵わないメンバーだったりする
「まあ、慣れてるからな。いやー褒められるほど技は出しちゃいないぜ? 」とか、ニカニカ笑いつつ、どすっと、〆の一発を叩き込んだ。



 近くの公園のジャングルジムの上に放置してきた、と、アレハレルヤが戻る頃には、食事の準備ができていた。お弁当は、ふたつしかないので、刹那とティエリアのものになり、他の面々は、普通の食事ということになった。
「しかし、マメですねぇ、ロックオン。」
 しゃっしゃかと、チキンライスをフライパンで煽っているロックオンの横でサラダを作成しつつ、八戒は、そのお弁当の中身に感心する。
「こういうの家庭的でしょ? だから、うちのやつらにも食わせてやりたくて。」
 家庭的なことを、なるべく体験させてやりたいと、ロックオンは常々考えているので、今回の留守番は有難いチャンスでもあった。悟空には申し訳ないが、いろいろと試させてもらっている。
 戻って来たアレルヤには、「次は、おまえのも用意するから、今回は勘弁な。」 と、謝りつつチキンライスを渡している。
「これ、すっごく可愛い。僕も作り方教えてよ、ロックオン。」
「うん、おまえと俺の弁当箱を、まず買って来ないとな。」
 全部を並べ終わると、「いただきます」 と、挨拶して、一斉に箸をつけた。刹那は、がつがつと弁当のピンクなごはん部分を食べている。
「こら、そこだけ食べるな。おかずも満遍なく食べろよ、刹那。」
 食欲を示している刹那に、ロックオンも嬉しそうに注意している。ティエリアのほうも、あぐあぐと食べて、へぇーと驚いた顔をしているが、文句が出てこないところをみると気に入ったようだ。
「しかし、悟空もすごいけど、悟浄さんと八戒さんも強いなあ。」
「そりゃ、おまえ、生身の肉弾戦なら慣れてるさ。MS乗りじゃないヤツは、そっちの専門家が多いんだ。」
「他もいるの? 」
「ああ、腐れ坊主とサルだろ? それから、俺の兄貴と紅も、だ。そこいらは、生身専門だな。」
「八戒さんも隠し武器があるとか? 」
「いいえ、僕は本来は回復呪文系です。あれね、何度もやると疲労困憊になってダメなんですよ。ちなみに悟空は如意棒という武器があります。今度、相手をしてもらったら、どうですか? 刹那君。」
「ああ、やってもらう。」
 すっかりとジャングルジムに打ち捨てたコスプレ外人は忘却されていて、中華拳法の話題で盛り上がった。

 午後からやってきたアスランは、撃退したという報告に、残念そうな顔をしたのは言うまでもない。
「まだ、公園に落ちてると思うから、トドメ刺してくるか? アスラン。」
「それ以上にやったら半殺しを越えますよね? 悟浄さん。」
「うーんまあー八十パーセントぐらいは殺してもいいんじゃないか? こっちは被害者が出てるからな。」
「ええっ? 」
作品名:こらぼでほすと 留守番4 作家名:篠義