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前世を言うなんて可笑しいよ

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そうして、意味が解って、脱力した。
テーブルに両手を載せたまま、しゃがみこんで頭も身体も二人から見えないようにする。
武田の大将が呵呵大笑する声がテーブルの下で聞こえる。
多分、旦那はきょとんとしているだろう。
・・・何ソレ、あれか、あれですか?伊達ちゃんが「小十郎を小十郎って呼んでいいのはオレだけなんだよっ!」っていうアレですか?!
コノヒト、電波受信してないのに言うんだ?言っちゃうんだ?!
あーもー、俺様、耳が赤いんだか首が赤いんだかわかんないよ、っていうか、手まで赤くなってないよね?!

俺様はもう、そのままの体勢で伝家の宝刀を抜くしかない。

「・・・旦那、今日の晩御飯抜き・・・」

なんだとっ?!と旦那を怯ませることに成功する辺り、威力は絶大だ。ていうか、あんたまだ食べるつもりだったのかよ。
が、「おお佐助、作っていってくれるのか、すまんのう」などとトボける武田の大将には一敗を喫した。
がくり、とそのままの体勢で首を折った俺様の頭上に、旦那が声を降らせる。
昔も今も、俺様を走らせる、その声で。

「ならば佐助、茶を頼む。味が濃かったからか、喉が渇いた。」

・・・。
・・・・・。
あーもー、本当、今も昔も関係なく、旦那ってば俺様の扱いが荒いんだからっ!!!


俺様は仕方なく、赤い顔が元に戻るのを待ってくれない兄弟子の言いつけ通りに、お茶を用意した。