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ただのものかき
ただのものかき
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マリーの想い、テリーの本質

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テリー「ぐっ!!!!……」

涙を流したまま絶望の表情を貼り付けた青年の顔を思い切り叩いた。


――――――――その一撃に、溢れんばかりの想いをこめて――――――――


そして、座り込んだままのテリーに目線を合わせるべく、自身も腰を落とす。

マリー「どうして?…」
テリー「つ…マリー…」
マリー「どうして…独りで抱え込んじゃうの?…どうして…話してくれなかったの?…」
テリー「こ…これは…俺の問題だ…別に…マリーに話すことなんかじゃ…」

己が抱えていた絶望と悲しみを全てさらけ出したにも関わらず…。
頑なに拒絶の姿勢を崩さないテリー。
自身を死神のように思っているからこそ…。
目の前の彼女を突き放そうとするのだろう。

マリー「バカ!!!!!!さっきも言ったはずよ!!!???私はあなたを自分だけのものにしたくてたまらないって!!!!!!私はもうあなたがいないと生きていけないほど、あなたのことを愛しているんだって!!!!!!!」

しかし、そんな拒絶をされればされるほどに…。
彼女のテリーを求め、愛する想いは大きく膨れ上がっていくことになる。

マリー「私はあなたに護ってもらうだけの弱い存在なんかじゃない!!!!!!!まして、あなたに絶望を担がせるだけの儚い存在でもない!!!!!!!あなたが私の絶望を打ち砕いてくれたように、私もあなたの絶望を打ち砕いてあげる!!!!!!!」
テリー「マ、マリー……」
マリー「私は、ずっとあなたを愛し続ける…あなたの傷ついた心も、私がずっと愛して癒してあげる…そして、決してあなたの前からいなくならない…あなたの目の前で死んだりなんかしない…」
テリー「…マリー……」
マリー「だから、だから…私を…愛して!!!!私を離さないで!!!!!私の前からいなくならないで!!!!!!あなたのいない人生なんて、もう私には何の意味もないの!!!!!!!」

ふとしたことから芽生え、それ以来ずっと大切に育て…。
そしてもうどうすることもできないほどにまで膨れ上がった…。
テリーへの想い…。
その一途な想いを涙を流しながら目の前の青年にぶつけ続けるマリー。

マリー「お願い…お願い…もう…私を…絶望の底に…落とさないで…」

悲痛な表情で懇願するかのように縋る儚い彼女の姿。
縋りつくようにテリーに覆いかぶさり、その逞しい胸に顔を埋め、絶対に離したくない想いをそのまま表すかのようにキツく抱きしめる。
そんな彼女に、テリーは…。

テリー「…いいのか?…」
マリー「え?…」
テリー「…こんな…こんな俺で…いいのか?…こんな俺が…お前を…愛しても…いいのか?…」
マリー「!!!!あなたじゃなければだめ!!!!!!!だめなの!!!!!!!!!もう私はあなたなしじゃ、生きていけないの!!!!!!!!!」

ずっと閉ざされていたテリーの心…。
それが、ようやく開き始めた。
突き放されたくない…離れたくない一心で必死にぶつけ続けた想いが、ようやく伝わりつつある。
この時を逃せば、もう彼は永遠に自分に心を開いてくれない。
永遠に自分の想いを受け入れてくれない。
永遠に自分を愛してくれない。
それを本能的に感じ取ったマリーは、さらにその想いをぶつけていく。

テリー「…マリー…」
マリー「愛してる…ずっと…絶対に…離れない…離さない…どんな時も…あなたと一緒だから…」
テリー「……マリー…(す…ぎゅうっ)」
マリー「え?」

一途に彼へ想いをぶつけ続けるマリーの体に優しい束縛…。
動くことなくダラリと下げられていたテリーの両腕が、彼女の体を優しく抱きしめたのだ。

テリー「ありがとう…マリー…そして…すまない…」
マリー「テリー?」
テリー「こんな俺を…そこまで愛してくれて……そして…そんなお前を…拒絶して…突き放そうとして…」

恐る恐る覗き込んだ彼の表情…。
そこには、先ほどまでの絶望に満ちた表情はなく…。
自身をそこまで愛してくれる存在への感謝と喜び…そして…。

テリー「俺も…お前のことが…好きだ…」

ずっと聞きたかった一言。
それを、ようやく彼の口から聞くことができた。

マリー「テ……テリー……」
テリー「お前が俺を愛してくれるなら…俺も…お前のことを愛したい……だめか?…」

涙が溢れて止まらない。
でも、さっきまでの辛くて悲しい涙じゃない。
ずっと欲しかったものを手に入れることのできた…喜びの涙。
やっと手に入れた最愛の存在。
少し困ったような表情で自分にとって嬉しいことをその口から音にして伝えてくれる最愛の存在。
ようやく…ようやく捕まえた。
もう…何があっても離さない…。
例え…神に逆らうことになってでも…。

マリー「バカ…だめなわけないじゃない…(ぎゅうううううっ)」
テリー「そっか…俺は…また…人を愛することが…できるんだな…(ぎゅうっ)」
マリー「やっと…やっと捕まえた…もう…あなたは…私だけのもの…絶対に…絶対に離さない…」
テリー「俺は…もうお前だけの存在だ…そして…俺も…お前のことを離さない…」

お互いの愛を確かめるかのように、お互いの体を抱きしめる二人の男女。
その天にも昇るような心地よい…永遠に続いて欲しい時間…。
お互いに、愛し愛される幸福を噛み締めあう。

マリー「テリー…愛してる…(ちゅうっ)」
テリー「ん…(俺もだよ…マリー)」

天に召す主に祈り、誓うかのようにテリーの唇を優しく奪うマリー。
永遠の愛を誓うがごとく、その唇を優しく受け入れるテリー。
過去の絶望を乗り越え、再び人を愛することができた青年…。
絶望に囚われた青年の心を開き、その愛を手に入れた女性…。
もう二度と離さないと天に誓うような熱く、激しいキス。
そのキスに、二人の男女はいいようのない幸福感を感じながら…。
幸せのひと時を過ごしていく。