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こらぼでほすと ふぁーすとみっしょん

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も顔を見たい、と、悟空が言ったからだ。
「うん、打ち合わせも終わったし・・・・どっか遊びに行こうか? 悟空。」
「キラ、ゲームセンターを貸し切ってございますから、そちらへ参りましょう。私くしも

お連れくださいませ。」
 歌姫様は、キラの行動を予想していたらしく、ちゃんとゲームセンターの貸し切りをさ

せてある。キラもラクスも、いろんな意味で有名人だから、単独行動は許されない。必ず

、護衛を連れて歩かないとならないから、突発的な行動ばできない。
「じゃあ、みんなで行こう。刹那、僕はキラ、それから、こっちは悟空。きみと友達にな

りたいと思ってるんだ。だから、一緒に行こ? 」
「俺もだぞ。おまえ、俺より細んまいな? よしっっ、トランポリンで戦おうぜ? 刹那

。」
 キラと悟空はニコニコと手を差し出している。刹那には、ちょっと困惑する光景だ。今

まで、こんなふうに手を差し出されたことはないからだ。唯一、こんなことをしてくれる

のは、ロックオンだけだ。
「刹那、遊んで来いよ。」
 そして、ロックオンも、うんうんと微笑んで頷いている。刹那の野生の勘では、キラと

悟空のどちらも敵意も殺意はないので、そういう意味の警戒はしなくていい。
「ついでですから、八戒さんとロックオンさんも、ご一緒しましょう。それなら、刹那も

気にせず遊べますわ。」
 残りの大人二人に、歌姫様は声をかける。現在、MS貸し出しで宇宙へ出向いているメ

ンバーに、雑用係として、八戒の亭主も出ているので、一人だし、ロックオンに至っては

、まったく土地勘もないのだから、団体行動で案内するほうが安全だ。
「よろしいですか? ロックオンさん。」
「しょうがねぇーな。付き合うよ。」
 本日は定休日なので、店はない。だから、ゆっくりと親交を深めるのもいいだろうと、

八戒とロックオンも従うことになった。



 二日ほどすると、「吉祥富貴」では、ロックオンの怒鳴り声が事務室に響いていたりす

る。
「こぉーらぁーっっ、おまえたちっっ。手を洗ってないだろうがっっ。ちゃんと手を洗わ

ないと、おやつは没収するぞっっ。刹那っっ、悟空っっ、キラっっ。」
「いちいち煩いな、ロックオンは。死にやしないぞ、そんなことぐらいで。」
「こら、悟空。おまえ、おやつはいらないんだな? 本日のおやつは二段重ねホットケー

キ、メイプルシロップたっぷりなのに。」
「あ、ごめんっっ。ほら、キラ、刹那、手を洗おう。」
 すっかりと刹那の世話とともに、年少組の世話もしているロックオンに、八戒は、クス

クスと笑っている。初日から、キラと悟空に遊んでもらった刹那は、なんとなく、この二

人は大丈夫だという認識をしたらしく、一緒に行動するようになった。「僕らは、きみの

敵には絶対にならないよ。」 と、ふたりが宣言してくれたことが嬉しかったのも理由だ

。ロックオンにしても、この刹那の行動はいいことだとは思っている。友達なんてものは

組織にはいなかったし、そういう気楽な関係は、マイスター同士にはない。だから、こう

いうのは、刹那も始めてで体験させてやれたことは感謝している。

 手を洗っておやつを口にした三人を確認して、やれやれとロックオンは、事務室の椅子

にどっかりと腰を下ろした。
「お疲れ様です、ロックオン。」
「いや、俺は慣れてるからいいんだけどさ。…しかし、筋トレだけだと、勘が鈍りそうで

怖いよ。」
 本来、ガンダムマイスターが本業のロックオンや刹那は、毎日、筋トレやガンダムの整

備、訓練などをしなければならない。一ヶ月も、MSに触れないなんてのは、復帰後に問題

があるだろう。
「ああ、そういうことでしたら、問題ありませんよ。エクシアもデュナメスも、ラクス様

の別荘で整備していますし、訓練なさるんなら、相手も用意していますから。明日からで

も、どうぞやってください。」
 なんて事ないように、八戒は、そう言って、パソコンの会計ソフトを動かしている。
「え? それは有難いけどさ。相手って? 」
 ひっかかったのは、『相手』という言葉だ。自分のほうは、長距離砲撃がメインの仕事

だから、標的と場所があればいいのだが、刹那のほうは、対戦相手が必要だ。
「はぁーい、はぁーいっっ、僕が相手するっっ。」
 背後から、大声を張り上げて手を挙げているのは、キラだ。「うげっっ」 と、となり

の刹那は驚いて、食べる手を止めている。
「キラぁ? こいつがぁ? 」
 のほほんぽややんなキラは、運動音痴だと、一日で看破したロックオンと刹那が驚くの

は無理もない。
「あーなー、キラさぁ。運動はダメだけど、MSの操縦はうまいんだ。・・・なんせ、こ

いつ、現役の時は、『白い悪魔』って呼ばれてたらしいからさ。」
 どちらかといえば、運動神経抜群なほうの悟空が、もぎもぎとホットケーキを食べつつ

、キラを見ている。
 八戒も、クスクスと「そんな言い方は失礼ですよ? 悟空。人には向き不向きがあるん

ですからね。」 と、キラについて否定せずに嗜めている。

     ……白い悪魔?…それって……

 刹那は、そのあだ名のついたMSを知らない。しかし、ロックオンは知っていた。
それは、最強最悪の白のMSのあだ名だ。
「刹那、僕と対戦しようね? 手加減しなくていいよ。」
「…キラ、死ぬぞ…」
「あはははは……大丈夫。僕、アスランより強いから。練習相手ぐらいならできるもん。

悟空も乗ってみない?」
「うん、おもしろそーだから乗せてくれ。」
 きゃあきゃあと三人は楽しそうにしているのだが、ロックオンは、ひくひくと引き攣る

コメカミに手を置いた。
「あの、八戒さん。」
「ははははは……実弾装備しなければ大丈夫ですよ。そんな心配性な。」
「いや、ここって、一体、どういうホストクラブなんですか? 」
 最強のMS乗りが働いているホストクラブなんて有り得ないだろう。それも、どう見ても

刹那と、そんなに変わらない青年だ。
「ああ、うちはね。特別な店なんです。」
 その一言で微笑んでいる八戒にしても、かなり不気味だ。
 もしかして、ソレスタルビーイングより強いんじゃねぇーのか? 歌姫の私設軍隊は…

と、内心で思ってしまったロックオンだった。