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こらぼでほすと 留守番7

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 ティエリアを押しのけるようにして、ロックオンがハレルヤに反論する。ティエリアが、全部ひとりで決めたように装うので、それも自分が命じた事も、はっきりと言質にした。
「けど・・・」
「ハレルヤ、そんなに心配しなくても、俺は大丈夫だ。『吉祥富貴』で働いて、おまえさんたちの戻って来るのを待ってる。ちゃんとドクターに診察も受けているし、寝込むことはないから。」
「どの口が、そんなこと、ほざきやがる? じじいがぶっ倒れたから戻って来たんだぞっっ。」
 今回の降下は、そのためだった。歌姫様が、唐突に爆弾発言してくれたから、宇宙で慌てさせられた。
「それは謝るよ。ああいうことは、もうやらない。」
「信用できるわきゃねーだろ? 」
「だがな、実際問題、おまえさんたち、休暇にしても取り過ぎだ。二ヶ月も、ゆっくりしてたんだから、そろそろ、交代してこい。」
「ハレルヤ、組織には、すでに連絡してある。予定は変更できない。ここで、どう騒いでも、明日の夕方にはシャトルに乗る。・・・刹那、それは決定事項だ。」
 ただひとり、何も口を挟まない刹那に、念を押すように、ティエリアが声をかける。無言のままでスタスタと、親猫の前まで歩いてきて、抱きついた。やだっっ、と、駄々をこねるつもりかと思ったら、「了解した。だが、今夜はロックオンと寝る。」 と、ぎゅっと、その腕に力を込める。やるべきことはわかっている。だから、それには逆らわないが、最後ぐらい一緒に寝かせろ、ということらしい。
「俺も、ロックオンと寝たい。」
「えーーふたりともずるいよーー僕だけ一人なの? 僕も、僕もっっ。」
 ハレルヤとチェンジしてアレルヤも抱きつく。こういうことが恥ずかしいハレルヤは、こういうことを素でできるアレルヤに、任せただけで同じ気分ではある。
「人気者は辛いなあ。・・・しょうがねぇーな。居間にごろ寝するか? さすがに、俺のベッド、四人は無理だぞ。」
 どうにか三人までは寝られるが四人だと、入りきらない。居間の絨毯の上に毛布でも敷けば、キャンプ気分で寝られるだろう。
「じゃあ、毛布借りてこないとね。」
 そういうことなら、僕が、と、アレルヤがすぐに動き出す。しばらくは、この世話好き貧乏性のおかんとも離れてしまうのだと思うと寂しい。だが、なるべく、いつものようにするほうがいのだともわかってはいる。ロックオンが、いつものように振舞っているのだから、自分たちも同じようにしようと、ティエリアも動き出す。
「ロックオン、俺は食事を頼んでくる。あなたは、少し横になっていてください。刹那、監視を頼む。」
「了解した。」
 やれやれ、口煩い小姑だ、と、憎まれ口を叩いて、ロックオンはソファに横になる。その横に、ちょこんと刹那も座り込む。
「ごめんな、刹那。」
 一緒に戻れなくて・・と、内心で付け足して、ソファの前に座っている刹那の頭をぐりぐりと撫でる。
「謝ることはない。おまえは、ここに居ろ。」
「ああ、そうだな。」
「悟空とキラに、おまえのことは頼んでおいた。」
「うん。」
「だから・・・」
「ああ、待ってるよ。・・・そうだ。明日、弁当を持っていけよ。夕方の便だから、夜食にすればいい。」
 せっかく、作ってやろうと弁当箱まで用意したのに、一度きりだった。それに、アレルヤたちには、まだ作っていない。できることなんて、たかだかしれているが、そういうことでもしてやりたいと思う。傍でフォローしてやれないから、本当に些細なことしかできないのが、もどかしいがやれることだけはやってやろうと起き上がったら、刹那と目が合った。
「・・・ロックオン・・・」
「なんだ? 」
「それは、明日のことだろ? 今から準備してどうする? 」
「いや、ランチボックスがあるのか確認させてもらおうと思ってさ。ちょっと、行こうぜ、刹那。」
 ひょいと立ち上がって、笑っている親猫に、しょうがないな、と、黒子猫も立ち上がる。
「アレルヤとハレルヤのは、同じように二つずつ入れ込んでやればいいよな? ピンクのデンブがあればいいんだけど、ここにはあるかなあ。」
 廊下を歩きながら、そんなことを楽しそうに話しているロックオンに、「あんた、益々、おかんだな。」 と、刹那がツッコむ。
「しょうがねぇーだろ? そういうことしかできないんだから。」
「あれはうまかったから、それでいい。」
「おう、バリエーションを、もうちょっと研究しておくよ。次の時は期待しててくれ。」
「わかった。」
 途中で、ティエリアとアレルヤも合流してしまい、それから、ランチボックスなどの確認をすると、中身について、全員で入れて欲しいものについて、かなり大激論になった。
作品名:こらぼでほすと 留守番7 作家名:篠義