二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
リヲ(スランプ中)
リヲ(スランプ中)
novelistID. 4543
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

その部屋には白い箱がある

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 

・・・そしてそれは今、ハレルヤの手の中にある。
いつものように気がついたらこの部屋においてあったペンダントはいつしか変質し、ひとつの鍵となった。
しかし、それの対となる鍵穴が存在しない。
アレルヤは相変わらず人形みたく座っている。

ああ・・・と、
「・・・わかってんよ。これは、いつものように、俺が勝手にすることだ」
ハレルヤは薄く笑う。

お前は まだ知らなくていい

青緑色の鍵を、いつものように螺子を回した白い箱の鍵穴に挿し、回す。
まるで最初から対として作られたかのように箱はすんなりと開いた。

再び鳴り出した音色は記憶よりも少しだけ歪に聞こえるが、
それでもアレルヤは満足したように薄く微笑んでいるように見える。

なのにアレルヤの目から流れた一滴をハレルヤは指でぬぐう。
「忘れちまえ。あの女のことなんて・・・」



生き物はどんな形であれ大切な存在を失ったとき、その存在をなかったことにしてしまうことがあるそうだ。
そうやって生き延びてきた。
けれども忘れるという美徳を奪われてしまったアレルヤは忘れることができない。
そして本能はそれに形だけでもと鍵を取り付けた。
ハレルヤはそれを理解して鍵をかける。

そして今、これで良いと欺いて、隠した空白に違う大切を埋め込んだ。
まるでジクソーパズルのように簡単に。

「忘れちまえ・・・生きていられないほどに辛い記憶なんて」

勿論ずっとこのままで良いとも思わないが、それで生きていられるのならとも思う。
ああ・・・ロックオンには悪いことをしたかもしれない。
これからアレルヤはマリーをロックオンに求めるようになるかもしれない。
でもお前も・・・無垢に求められるのは嬉しいだろ・・・?
だからロックオンはアレルヤに優しくする。
それがアレルヤに向けてなのかは違うのかは俺にはどうでもいい。

そして、もしも

もしもマリーがアレルヤに敵意を向けるのであれば、気づく前に殺してやる。

「・・・お前はそのままでいればいい」
人形のように身動き一つしないアレルヤにハレルヤは口付ける。

いつかアレルヤが気づいて、全部ひっくるめて背負いたくなるまで、
この過剰なまでの過保護は続く。