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別に君に見せたかった訳じゃないんだからね!

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標的326より





「あいつの裏をかきたいのは分かった。分かったけど
 なんで僕も行かないとといけないの」

今回の救出を、あの顔も思い出したく無い男を出し抜く形で行うには
少人数で動くべきなのは分かる。
それでいて現在の戦況から考えてかなりの実力者でないと難しい、
さらにジョットの個人的な理由で、
という条件がそろえば守護者が出なければならなくなるのは
当然の結果だろう。
だが理解はできても納得はできないものはできない。

僕が出なくても他4名が出れば十分だろう、とさっさと話を切り上げて部屋を
出て行こうとすると腕をがしっとつかまれた。
それに離せ、と目で訴える。





無言のやり取りが続いたが数分後、僕はくくく、と人の悪い笑みを浮かべた男の前に座っていた。


「まぁそう言うなアラウディ。人手はあっても困らん。
 本来なら俺も行きたい所だが最近スペードの監視が厳しくてな」

「まったくいつまであの変態を手下に置いておくつもり」

「あれはあれで、ボンゴレを大切に思っているんだ。
 やり方は確かに間違っているが俺にとっては大切な守護者の一人だ。
 いつか気づいてくれると俺は信じてる」

「ふーん…で、その君の大切な守護者のために僕がなんだって?」

「手厳しいな…。たった1日だぞ」

苦笑いしながらもこちらを見る視線は鋭い。

これはどうしたって譲る気はないな、と溜息を一つ落とす。
駆け引きは得意だが、守護者の指輪を引き合いに出されると
こちらの分が悪い。
なくても困らないがあった方が断然面白い戦いに今後も恵まれるだろう。

それでもこのまま承諾する気もなれず、何か一つくらいこちらの利益に
なるものを得てやろうとうっすら顔に笑みを貼り付けながらも作戦を練り始める。
こちらだってその気になればジョットを動かすネタの一つや二つはあるのだ。
とりあえずこちらも譲らない姿勢を見せて粘ってやる。

「1日も、だね。そんな長い時間あいつの部下を演じるなんて
 吐き気がするね。しかも何あの部下の趣味の悪い黒マント。
 まったくあの変態の趣味は気に食わない」

「そうか?俺はかっこいいと思ったが」

「…あれが?」

感性は普通だと思っていた男からのまさかの返答で
回転し始めていた脳の働きが一瞬止まってしまう。

「さっきGが試しに羽織っていたんだが、普段と違う姿はなんだかドキドキするな」

そうにっこり笑った男の後ろに黒い尻尾が見える気がした。