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こらぼでほすと 襲撃2

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年中いちゃこら夫夫といえど、別行動をしていることはある。お互い、趣味も違うし、仕事の内容も違うので、悟浄だけが取り残されるなんていう日もある。
 別に、家でごろごろして帰りを待っている日もあるし、こちらも出かけて、仕事場で合流なんてこともある。で、たまには、腐れ坊主のとこで時間潰しでもするか、と、悟浄が出向いた。現在、こちらには、ロックオンがいるから、夕方に軽食を食べさせてもらえるから、大変有り難いということも出向いた理由のひとつだ。
「よおう、三蔵。」
 本堂に顔を出したら、坊主が、珍しく読経なんかしていた。この腐れ坊主、朝晩のお勤めすら、悟空にやらせたりする極道ぶりだから、こんな昼日中に、読経しているのは珍しい。で、読経中は、喋りかけても反応はない。しょうがないから、家のほうへ顔を出すと、こちらは無人だ。
「ありゃ? 」
 サルは、まだ帰る時間ではないから、ママニャンだけがいるはずだが、その姿がない。昼寝時間は、とうに過ぎているから、外出しているようだ。そのうち帰ってくるだろうと、冷蔵庫からビールを取り出して、テレビをつける。勝手知ったる家なので、我が家のようなものだ。
 しかし、残念ながら、うまい軽食にはありつけないことが判明してしまった。読経を終えた腐れ坊主から、ママニャンが不在だと聞かされたからだ。
「里帰りした。」
「はあ? どこへ? 」
 里帰りと言ったら、アイルランドということだが、そこまで遠出するなら、こちらにも連絡があるはずだ。だが、ロックオンの移動の話は聞いていない。
「トダカさんが、ひとりだから、食事に付き合えってつれてった。今、シンたちもラボのローテーションに組み込まれてるからな。」
「ああ、トダカさんとこか。・・・なるほど、確かに里帰りだわな。」
 現在、『吉祥富貴』は、縮小営業になっている。それというのも、アレルヤのロストに対処するべく、ラボにMS乗りたちは集結しているからだ。シンたちは、バイト組ではあるが、時間が許す限りは、そちらへの参加もしている。おそらく、ラボと学校の往復みたいなことになっていて、トダカといえど呼び出したりはできない状況だからだろう。
「あの人も、寂しがり屋だからな。息子が戻れないから、娘で我慢することにしたらしい。」
「娘って・・・そりゃ、まあ、美人顔だけどよ。あの体格で娘はないぜ。」
 身長180センチオーバーのロックオンだと、トダカより高い。それに、筋肉が落ちているとはいっても、それなりの体格ではある。
「けど、やってることは家事手伝いだから、そういうことになるんじゃねぇーか? トダカさんにしたら、娘でも息子でも似たようなもんだろ。」
「確かに、そう言われりゃそーだけどよ。」
「おまえこそ、女房はどうした? 」
「うちのは、買い物だ。細かいものを、ちまちまと買うっていうから、荷物持ちも必要ないんだとさ。」
「捨てられたんじゃねーのか? 」
「バカも休み休み言え。捨てられるなら、とっくの昔に殺されてるよ。」
 惚気としかとれない言葉を吐いた悟浄に、「うぜぇ」と、ツッコミをひとつ入れて、三蔵も立ち上がる。書類箱を運んで、仕事を始める。悟浄のほうは、テレビのほうへ寝転んで、そちらに向かう。別に、気を遣う相手ではないから、お互い、フリーダムだ。




 たまには、私の手料理を、ごちそうするよ、と、夕方というには早い時間にトダカがキッチンに立った。シンが学業のほうが忙しくて、なかなか帰って来ないから、食事の相手をしてくれないか、と、三蔵のところから連れ出されて、トダカ家に赴いたのだが、ここには、ロックオンのできることはあまりない。なんせ、週一回、きっちりとしたハウスクリーニングされている家なんてものは、どこも汚れていないからだ。食事も、トダカが用意してくれたりするから、のんびりしている時間が多い。
「俺、店のほうの掃除とか手伝いましょうか? 」
「ああ、そうしてもらおうかな。」
 やることがないと、余計なことを考えるので、身体を動かしたいと、ロックオンが提案すれば、トダカも認めてくれる。ただし、帰宅は、トダカより早め、ということになるから、時間としては短い。
「今、キラ様がプラントへ出向いているから、店は縮小営業なんだよ。」
「プラントですか。」
「あちらのシステムのことで依頼があったとかでね。だから、イザークくんたちも一緒に戻っていて、スタッフが少ないんだ。」
 ナンバーワンホストのキラが不在となると、店としては暇になってしまう。休んでもいいのだが、八戒の癒しの手を予約する客はいるので、それに対応するべく店は開店しているのだと、トダカが説明する。
「たまに、そういうこともあるんだ。まあ、私としては、営業してくれるほうが退屈しなくて有り難いんだがね。」
「そういや、トダカさんは、ラボの仕事はしてないですね。」
「はははは・・・私みたいな時代遅れでは、できることもないから。お払い箱みたいなもんだ。」
「MSのほうは? 」
「大昔にMAには乗っていたが、退役前は艦隊運用ばかりだったから、うちでは使えない知識だ。」
 ラボにある戦艦は、エターナルのみというわけではないのだが、艦隊を運用する大規模な作戦をやることはない。たまに、アマギたちに教えを請われることはあるが、それぐらいのことだ。
「うーん、俺にはわからないですね。だいたい、単独潜航の船でしたから。でも、たくさんの戦艦を自分の思うままに動かすって気分は良さそうだ。」
「そうでもないよ。艦隊を、思うままに動かすには、それなりの連携が必要なんだ。だから、運用する前に、かなりの訓練をしていないと、短時間で陣形を変えたりするのは大変でね。下手な航海士が混ざっていると、艦同士の接触なんてことになって大騒ぎさ。そして、その責任は、もれなく私のもの、なんてことになる。」
 ひとつ、艦隊丸々を撃破された時は、さすがに覚悟を決めたけどね、と、大笑いしている。その後、覚悟を決めて戦艦に残ったトダカは、ラクスの配下だったヒルダたちによって隠密裡に救出されて現在に至っている。相手がシンだったことも聞いたが、それをシンに言ったことはない。陣営が分かれていたのだから、それはシンの罪ではないと割り切ったからだ。
「俺と同じリタイヤ組ってことですかね? 」
「そういうことだな。きみは、そのうち、復帰できるだろうから、とりあえずのリタイヤ組だ。何か私の知識で役に立ちそうなことがあれば、教えるよ。」
「うーん、テロリストには講和条約とか捕虜協定なんてものも使えないから、あんまないんじゃないかなあ。」
「そっちのは、虎さんか鷹さんに尋ねるといい。私の専門は、カクテルだ。」
「ああ、そっちなら教えてください。」
 今は、組織に関することは考えないように、トダカは誘導する。それに気付いているのかいないのか、ロックオンのほうも、その話に乗る。組織に入る前に、そういう仕事もしていたから、多少なりと知識はある。だから簡単なカクテルぐらいは判るのだが、トダカは、そんなもんじゃない知識を持っている。
「女性客ばかりだから、どうしても、そちらの知識が必要になる。元々は、酒全般が好きだったんだがね。」
作品名:こらぼでほすと 襲撃2 作家名:篠義