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こらぼでほすと 襲撃2

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 アレルヤロストから、エターナルはCBの潜伏している場所付近に展開していた。当初は、イザークとディアッカが指揮をしていたが、奪還にMSが必要だと思われたので、エターナル本体の指揮は、そこから虎とダコスタに一任されている。
「しばらく動きはないらしい。監視装置だけ配備して、一端、プラントへ引き返す。」
 こちらでも、その報告がラボからされて、警戒態勢は解いた。飛び出すことになっても、十日後以降ということなら、休んだほうがいい。長丁場になるなら、休息も重要だ。
「イザーク、一週間は開放してやるから表の仕事に顔を出して来い。それから、ディアッカ、ザフトのほうへ顔を出して工廠から部品を受け取ってくれないか?」
「ブースターかい? 虎さん。」
「ああ、そうだ。依頼は出してあるから問題はないだろうが、おまえが責任者で出張ってくれ。」
「はいよ。」
 さすがにエクシアの加速には、イザークやディアッカの機体では追いつけない。そこを解消するのが、加速ブースターだ。大気圏へ突入するまでに、エンゲージできれば、そこで引き止めることは可能だ。刹那は、経験が浅いから、二機のMSで連携すれば、どうにかなる。それに、足りなければ虎のガイアもある。できれば、大気圏外で止めたいと虎は思っている。
「地上戦になると、さすがに隠し切れないからな。」
「そういうことだ。」
 イザークも、その意図は理解しているのだが、如何せん現役は退いている身だから、どこまでやれるかはわからない。一応、鈍らないように、ラボで訓練はしているが、実戦は別物だ。それに、イザークとディアッカは実際の刹那との戦闘を体験していないのだ。なるべく刹那の癖や技量を知るために、他のものは対戦させていたのだが、このふたりだけは時間が合わなかった。
「しかし、せつニャンは、そこまでやるかねぇー? ママのとこへ来るだけなら、生身で十分だろ? 」
 ママに会いたい、とか、アレルヤの情報が確保したい、というだけでエクシアを使うか? と、そこいらがディアッカには疑問だ。だいたい組織が許可するわけがないとも思う。
「おまえ、あのちび猫の本気がわかってないな? ディアッカ。ママを隠されたって事実だけで、ちび猫は激昂する。ママ奪還なら組織も何もあったもんじゃないぞ? 」
「ていうかさ、それで組織が生きているってバレるとマズイのは、あいつだろ?」
 ソレスタルビーイングは消滅した、と、世界は判断している。だから、厳しい捜索も受けていない。エクシアが現れた事実が判明すれば、組織の壊滅のために世界は動くだろう。
「だから、ちびには、そんなことは関係ないんだ。だから厄介なんじゃないか。」
 たぶん、黒子猫は、「それがどうした? 」 と、のたまうに違いない。黒子猫にとって重要なのは、ママとアレルヤだからだ。
「だからこそ、キラはマイスター全員の保護を言い出したんだ、ディアッカ。刹那が笑っていられる環境というのに必要不可欠なパーツだということだ。」
 イザークは苦笑しつつ、そう説明する。まったく、そんなことで、この騒ぎは尋常じゃないと、イザークも思っているが、納得はしている。戦うと、いろいろと大切なものを失う。それが、さらに連鎖していく。その連鎖に巻き込まれて抜け出した時には、何もなくなっていることが一番怖いことだ。別に、ソレスタルビーイングの理念なんかにキラは興味がない。刹那が、戦いから抜け出した時に、全部失くしていたら、どうすることもできないから、動いたのだ。それについては、イザークも賛同する。人間は、ひとりでは生きていくのが困難だ。何も無くなってしまったら、生きているのが虚しくなる。何かひとつでも残っていたら、そこから、また新しい生活を始められる。そのための核になるものが刹那にはマイスターたちだと言うことなのだ。
「わかるけどさ。」
「ちびに社会常識なんて通用しないぞ? あれは純粋培養のテロリストだ。力だけで勝ち続ける方法しか、今のところは知らないんだからな。」
 虎も、それがわかっているから万全を期す。使わなければ、それでいい。まあ、使うことにはなるだろうと予想している。
作品名:こらぼでほすと 襲撃2 作家名:篠義