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青い春

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小学校で初めての席替え。帝人はドキドキとしながらくじ引きの紙で決めた場所へと席を移動させた。
そこは窓側の一番後ろで、クラスの中で一番羨ましがられた席だった。

「ぁ・・・」

(折原君・・・)

帝人は席を移動させ終り席に座っていると、隣に机が来た。顔を見上げて隣を見てみると、女子の間で人気の折原臨也。
臨也は帝人を一瞬見ると、ふっと目元を和らげて笑う。そして手を差し出した。

「これから宜しくね、竜ヶ峰君」

「うん!よろしく!」

臨也が自分を知っていてくれた。それだけで帝人は嬉しくて嬉しくて頬を綻ばせる。
帝人は良く臨也を見つめていた。子供の中で群を抜いて綺麗な顔立ち。頭も良いし、運動も出来た。
自分とは違ってしっかりとした言葉を使うし、仕草も丁寧だ。憧れ、とでも言うのかもしれない。
そんな感情を帝人は臨也に持っている。その彼が帝人の席の隣になった。もうそれだけで帝人は嬉しいのだ。
ある日の国語の授業。隣の臨也が机の引き出しの中をゴソゴソとしている。
それがどこか焦っているように見えて、帝人は臨也に小声を掛けた。

「折原君・・・どうしたの?」

「え・・・っと・・・教科書忘れちゃったみたいで・・・」

帝人はすぐさま静かに机を臨也の机にくっつけて、真ん中に教科書を置いた。
不思議そうに見てくる臨也に帝人は臨也にだけ聞こえるように呟く。

「一緒に見よう」

臨也は瞬きを数度繰り返すと、ありがとうと小さな声で囁いた。
その姿をクラスの一部の男子が見ていたことを臨也と帝人は知らない。


作品名:青い春 作家名:霜月(しー)