鉄の棺 石の骸番外2~猫にかつおぶし~
決闘者名鑑も、遊星目撃マップも、改変された歴史の上では役に立たないのだ。
「君は、何物にも左右されずに、本来の姿の遊星を見るのでしょうね。それでいいのです。それで」
かつての英雄としてではなく、ごた混ぜになったZ-oneのような存在でもなく、生のままの不動遊星を。それもまたファン冥利に尽きるのではないのだろうか。
「それに」
Z-oneの目がすうっと細められた。
「――この私を差し置いて大々的にファン活動するだなんて。私は絶対に許しませんよ、アンチノミー」
遊星愛のためなら、それが類友であろうが犠牲にすることも厭わない。
それが、この番外シリーズのZ-oneなのだった。
(END)
2011/2/25
作品名:鉄の棺 石の骸番外2~猫にかつおぶし~ 作家名:うるら