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リヲ(スランプ中)
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novelistID. 4543
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give me

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「好きなところに座っててくれ」

案内された店はまだ開店前だからか・・・落ち着いた空気をまとっていて・・・。
ここならきっと何時間だっていれる。そんな店。

キッチンが見えるカウンター席に腰掛けて、見つめた。
プリンを作る白い指を。

ほんのりと苦いカラメルが甘いプリンを色気づかせる。
それに生クリームのヴェールを被せたなら、なんておいしそう・・・。
きっとアレルヤならそう言うはず・・・。

「・・・ん?もうちょっと待って・・・・・・、」

ミルクプリンがほんのりとストロベリー味に変わる。
・・・綺麗な顔が、よく見える。
驚きで丸くなった目がなんだか面白い。
「ミルクプリンが食いてぇ・・・」
「あ・・・・・・、ミルクプリンは作んねぇと・・・んっ」
「・・・・・・」

一瞬、どうしてニールがこんなにも近くにいるのかが分からなかった。
だがその理由はすぐに理解した。
ハレルヤのほうから近づき、口付けたというだけのことだ。
程よく柔らかい唇をもっと楽しみたくてハレルヤは啄ばむように口付けを繰り返す。

「こ・・・らっ!やめないかっ」
肩を押され見たニールの表情は嫌悪でなく困ったような顔・・・。
「・・・食わせろよ、ニールを」
気になった理由が今分かる。
目の前の美味そうなプリンを、気の済むまで貪りたい。それだけ。
「・・・冗談はやめろよ?まったく・・・悪い冗談にも程が・・・」
「冗談なんかじゃねぇ」
真っ直ぐに見つめハレルヤを押す白い手を取り口付ける。
「俺にそんな気はないよ・・・」
それでも手を振り解かないニールにハレルヤの食欲は増すばかりで。
いっそ拒絶してくれれば楽なのにと相手のせいにしてみる。
「欲しいんだ・・・アンタが」

ふわりと香る甘い香り
雪のようだがそれよりも健康的な白い肌
美味しそうな、ニールを。

「・・・ごめんな」
ぽすっと頭を撫でる手はそれでも優しい。

「プリンが出来上がるまでかかるから・・・座って待っててな?」
聞き分けのない子供を諭すようなニールの言葉に子ども扱いされたと気づいてハレルヤの頬が赤くなる。
べつにバカにしているわけではないのだろう、そんなことは分かっている。
そんな奴じゃないとハレルヤは思い込む。
けれども悔しいのは変わらない。

「・・・わぁったよ・・・」

「おりこうさ・・・!・・・っ!」

ニールは少し天然なのかもなとハレルヤは思った。
不意打ちとはいえ二度も口付けを許している、しかも今度は舌まで進入させている。
逃げようとする前にニールの後頭部を押さえ、ハレルヤはニールを味わう。
ぐっと閉じる目が可愛いなんて言ったら怒るだろうか?

じわりと胸に広がる甘い充足感を堪能して口を離すと軽く小突かれた。
「・・・聞き分けがないぞ」
「味見くらいさせろよ?」
「っ。・・・当店は試食はして・・・ない」
「じゃあ食べさせろよ」
首に舌を這わせるとニールの体が震える。

「・・・・・・わかった」
ニールの言葉に顔を上げて次の言葉を待つ。
正直、無理だと思っていた。

「俺好みの大人になったらな」

「・・・はぁっ?今じゃねぇのかよ・・・!」
「お前さんはまだ未成年だろ?だからダメです」
見事なまでの子ども扱いに誤魔化されハレルヤは脱力してニールの方にもたれた。
「ガキ扱い・・・すんなよ」
緑色のエプロンを握り締めればまた頭を撫でられる。
「・・・・・・大人になったら、いいんだよな?」
「いいぜ。ただし俺好みのな」
「わかった。それまで俺以外に食われんじゃねぇぞ」
「そんな物好きなのはお前さんくらいだよ・・・」
やれやれとニールが苦笑する。

悔しくもあるが、とりあえず約束は取り付けた。
ハレルヤは今も溢れ出そうな欲を抑えることにして考える。
ニールを惚れさせる方法を。
好みになるのは勿論だがそれだけじゃ何時までもはぐらかされるのは目に見えている。


チラシ配りはアレルヤに頼んで手伝ってもらおうと考えて、
とりあえず今はプリンを作る綺麗な白い手を見て楽しむ。

いつか食べるその日はそうは遠くくはないと予感しつつ・・・・・・。


作品名:give me 作家名:リヲ(スランプ中)