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すずきたなか
すずきたなか
novelistID. 3201
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インザスムースエアー

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写真にはなかなか美人に思える女性が写っていた。せんぱいが「元」と付けたのは写真がいったんクシャクシャにされて再度伸ばした跡があったからだろう。可哀相に、別れたあと丸めて、未練がましく残してあったんだね。そんなに過剰に反応しなければ誰も何も勘ぐったりしないのにね。
残念眼鏡教師は取り返すのを諦めて、ぐったりと肩を落とした。ああ、可哀相すぎて見てられないよ。イヴァンなんて感情移入しちゃってオロオロしてるよ。美少年はあっこっちを見てすらいないよ時計を確認してたよ。
「くそ……俺が悪いんじゃないのに……二月三月は忙しくて会えないって分かってたはずなのに……」
「ふーん、残念だね、可哀相に」
「ジャンに言われると死にたくなる……」
「ちょっとちょっと先生それどういう意味」
本日二人目の入水自殺未遂者を出さないために、俺はせんぱいに目配せをする。いかにもモテそうなせんぱいはそれをどう受け取ったかは知らないが、がしりとせんせいの肩を掴んだ。
「まあまあ、そういうこともあるさ」
「『俺はないけどね』って顔しながら言うな!もう俺帰る!お前ら歩いて帰れ!」
「まあまあ、ちゃんと車に戻して言い触らしておくから」
うわっ、と可哀相なせんせいが顔を覆った。……さて、日も落ちてきそうだし、そろそろ学校に戻りますかね。
ところで、風紀委員会会議はどうなったんだい?