真選組内部事情
その後も何度か副長が犬を前に思い悩んでいる姿を見た。別に俺は誰かさんみたくストーキングしている訳でもなかった(例えするとしても副長なんてご免だった)ので、俺が目撃した回数以上に、副長は犬とご対面して思い悩んでいたんだと思う。
まさか、それを沖田さんに見られて弱みを握られたとか……と、それだと全く辻褄が合わない。うーん、謎だ。
他の隊士達が、二人に娯楽を求めなくなってしばらくが経った。二人の諍いは日常に溶け込んでいたけれど、なくなればそれはそれでかまわないのだろう。特に害がある訳ではないし、皆柔軟に受け止めている。今は俺もこんな風に気にしているが、いつか気にしなくなる日がくるんだろうか。
それも俺は釈然としない思いを今も抱えているのだった。