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ユキナ・リュカ ~この世界~

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君と僕(前篇)



「たまにさ、マクドールさんがいない時があるんだよ。」

会議の後、やれやれ終わった、と皆がお茶を飲みつつ一息入れたときの事だった。
ふいにユキナが挙手したかと思うと、そう言い放った。

「・・・は?」

キバ将軍が思わず漏らした声が聞こえる。
だがユキナはそれには反応しないで、ある一点を見てニッコリしている。
ある一点・・・シュウのところ。
そのシュウはやられた、というような表情をしていた。その後腐れ縁2人をジロリと見た。
その腐れ縁達は目をそらせている。

「今朝、知ったよ?シュウさんの予想通り、その熊と青いの締め上げ・・・じゃないや、教えて貰ったんだ。どうやらちょくちょくマクドールさんはご実家に帰っているそうだね。」

シュウは同情と憐れみを込めて2人をみてから、あきらかに答えを求めている様子に、渋々答えた。

「そうだ、な。」
「俺は全然聞いてないって言ったらさ、どうやらシュウさん?あんたがマクドールさんに、報告はあんただけにすればいいと言ったんだってね?おかげで俺は知らずじまい。」
「知れば絶対お前はついていくか速攻で迎えに行くだろうが!!」
「人聞きの悪いー。俺はただ単に現場主義なだけだよ。城に大人しくいるよりは外に目を向けて色々活動や勉強してるだけじゃないか。」
「うまい事言ったつもりだろうが、全然うまくないぞ。勉強なら十分俺の元で出来るだろうが、ていうか少しはしろ。」
「そんな事はどうでもいいんだよ。」

そんな事!?シュウが顔をひきつらせているにも関わらず、ユキナは続けた。

「今もいない。これ、帰ってるんだろ?しかもさー、なんか人に会いに行ってるんだよな?」
「いや、ユキナ、会いにってゆってもグレミオだから。」

フリックが言った。

「グレミオってったって俺は知らないーっ。てことでシュウさん。軍主の俺に隠しごとしてた罰として、今から俺に休暇をよこす事。てことでみんな、お疲れ様ー、じゃあねっ。」

反論する間をあたえず、ユキナは脱兎のごとく会議室を後にした。

「っはっ・・・。あ、あんのバカ者がーーーーっ。」

部屋では軍師の怒鳴り声がしていたが、ユキナはすでにエレベーターへ移動した後だった。
石板前に行くと、いつもなら絶対にいるはずの石板守りがいない。

「うーん、最近察知能力でも長けてきたんかな。残念。仕方ない、地道に行くか・・・。」

諦めて、ユキナはビッキーのところへ来た。

「あ、ユキナさん。今日はどちらまで?」

ビッキーがニッコリと言う。
とっても可愛い子なのになんでああも天然なんだろなーと思いつつ、リュカに会いにいくんだと言った上で目的地をつげる。

「わかったーえーい・・・あっ」

え・・・?今、あっ、つったよね?あっ、て・・・!?
げ、と思う間もなく気づけばどこか訳の分からん山の中、しかも着いた瞬間足元がさだかではなく、そのまま崖からすべり落ちてしまった。

「っつっ。」

心の準備もなく落ちた為、どうやら足を痛めてしまったらしい。

「最悪・・・。え、何これ。ビッキーの事、天然とか思った罰?」

いや、罰というならあきらかにむりやり休暇をかっぽぎってきたほうが、とフリックやルックなどがいたらつっこみされるであろう事をつぶやくと、ユキナは、はぁ、とため息をついた。


その頃城では、ルックがとりあえず嫌な予感がして散歩していたが、そのブラブラから帰ってきたところだった。

「あ、ルックくん!!」

向こうから天然少女の声がして、もう一度引き返そうか、などど考えているルックのもとに、その天然少女がやってきた。

「珍しく散歩?そういえばね、今ね、ユキナさんもめずらしく、一人なのにわたしのとこに来たんだよ?」

ああ、散歩に行ってて良かった、とルックは思った。

「でもね、ちょっとミスしちゃったかも。」

テヘ、という擬音でも聞こえてきそうな勢いで、ビッキーが言った。
・・・なんですと?

「え?」
「え?ああ、あのね、珍しく散歩?って・・・」
「いや、そこから!?そうじゃなくて、ミスって?」
「えーと、もしかしたらちょっとテレポート間違えちゃったかもなの。」

最悪。
ルックはいっそその場にいれば良かったとひそかに思った。

「え・・・?てことはユキくん、行方不明なの?」

不意に後ろから声がした。

「リュカ?君はグレッグミンスターに帰ってたんじゃ・・・?」
「え?ああ、うん。帰ってたよ。でもグレミオがうるさいからまたこっちに来ちゃった・・・て、それはいいから。ユキくん、どこに行こうとしてたの?」

リュカはビッキーに聞いた。

「えーと、多分リュカさんのところですよ?でも直接おうちには送れないから。でね、魔法を使おうとしたときに、あれ、どこだっけってちょっと混乱しちゃって・・・。」

ビッキーだけに妙に納得してしまう。

「で?その送ってしまった場所は分かるの?」

リュカがそう聞くと、ビッキーはしばらく考えて、分からない、と答えた。

「あ、でも別の大陸とかね、次元のはざまとかそんなとこには行ってないはず!!」

てゆうかどこですか。

「・・・。ルック?」
「・・・無茶いうな。僕は君達紋章探知機じゃないんだからね。まったく見当つかない上に離れてるとしたら難しい。」
「あ。でも多分どこかの森じゃないかって思う。なんとなく森のイメージが出ちゃって。」

ルックが言った後、また少し考えていたビッキーが付け加えた。

「ルック?」

英雄様がにっこりとルックを見た。
こんな事ならずっと石板前にいればよかった・・・ルックはとてつもなく後悔した。