Plam
f:inger
ヒバリの指は、先程から沢田の肌の上にあった。緩急をつけて背骨の脇をたどり頸椎を越えて後頭部をやや圧迫し尾てい骨まで。それを雲雀は片手で繰り返す一方、腰を揉み込む。その行為の最中、彼の指が沢田の服の感触を拾うことはない。
沢田は生まれたとき同様裸で横たわっていた。
その上に上着だけを脱いだ雲雀が、己の全身を使って沢田の血行をよくするためだけに動いていた。
朝、目覚めたら裸で雲雀がいて、マッサージされていた。この状況はなんだろう、と沢田は思う。
う、あ。口から声がひっそり漏れる。あえぎ声なんかよりもっと聞きたくなかったかもしれない。なんて安穏とした声をこの人の前で。
痛くもないいやらしさもない触り方などできない人かと思っていた。
「ん、あ」
乳首の周りをなでる手つきも今は、愛撫ではない。