こらぼでほすと 襲撃7
「看病も何も、元気だぞ? 刹那が大袈裟に報告してんだろ?」
「そんなことない。ティティエリアとアレルヤも心配してた。」
「あいつらも大袈裟なんだ。ティエリアは性質が悪い。みんな、元気にやってるか?」
「うん、元気。みんな、忙しそう。」
「そっか、ならいいや。」
ぎゅっとロックオンもフェルトを抱き締めて笑っている。
・・・あの手紙、いらなかった。今度から、ここに送ればいい。・・・・
ロックオンに送った手紙は、天国にいるはずだと思ったから、そちら宛に書いた。だが、当人が生きているから、あれはいらないものになった。それは、とても嬉しいことだ。自分を包んでくれる温かい体温があるのが、フェルトには何より安心できることだ。
「・・・ハロも元気・・・」
「無事に戻ったんだな。よかった。・・・フェルト、ハロのこと頼むな。」
「うん。」
「心配させて悪かった。」
「ううん。もう逢えないと思ってたから嬉しい。」
「俺も嬉しいよ、フェルト。」
ぎゅうぎゅうと二人して抱き締めあっていたら、背後から刹那も抱きついてきた。どうやら、俺も構え、ということらしい。
「重いぞ、刹那。」
「うるさい。」
「思いっきり親子猫だな? 」
そこに、愛情以外のものがないのは、明白で、悟浄は笑ってしまう。つられて、八戒も微笑んだ。刹那より小さい子がいるとは思わなくて、驚いたのだが、フェルトの素性を報告されて、なるほど、と、納得はした。組織内で生まれた子供だから、そういう教育を受けていたらしい。だから、その年齢で、組織のオペレーターをやっている。両親が、すでにないので、ロックオンが可愛がっていたというのも頷ける話だ。
さて、部屋割りはどうしたもんかなあーと考えていたら、派手に扉が開いて、この家の主人が突然に顔を出した。
「まあ、ロックオン。独り占めは許せませんよ? ・・・・あらあらあら、ピンクの子猫ちゃんなんて・・・・なんて可愛いんてしょう。」
びくっと三人が飛び上がりそうなほど驚いて、そちらへ顔を向ける。もうちょっと静かに現れてくれないか? と、八戒は内心でツッコむ。
「・・・オーナー? 」
「はい、お久しぶりですね、ロックオン。刹那、相変わらず、甘えただこと。・・・ピンクの子猫ちゃんは、お名前はなんですかしら? 」
ニコニコと微笑みつつ、親子猫の前に立って、歌姫様は問いかける。フェルトは初対面だが、映像付きのメールで、何度か顔は見ているし、有名な歌姫の顔を知らないものはいないだろう。
作品名:こらぼでほすと 襲撃7 作家名:篠義