こらぼでほすと 襲撃9
どんどん大量の肉や具材は、全員の腹に消えて行き、あれほどあったはずの酒も消える頃に、ようやくお開きになった。あれだけ飲んでも、半分以上素面だ。シンとキラは、完全に潰れているが、後は片付けもしてから帰っていった。
さすがに、親猫も疲れたのか、すぐにダウンした。そして、刹那は、未成年だから素面だ。親猫が寝たのを確認すると、居間へ引き返す。
まだ飲んでいる三蔵に、ぺこっと頭を下げた。たぶん、三蔵のところに居ることになるだろうからだ。
「わかってる。あんま危ねぇー橋は渡るなよ? ママは大丈夫だ。」
まあ、とりあえず、一杯飲め、と、酒を勧めた。明日から出発だと意気込んでいては興奮して眠れないだろうからだ。こくっと飲み干して、刹那も頬を歪めた。組織と関係のない一人の旅なんて始めてだ。だが、サポートもあるし、『吉祥富貴』のスタッフが、同じ世界にいると思うと心強い。
「俺はガンダムになりたい。今度こそ、必ず。」
「おう、なれなれ。」
もう一杯と勧められて、また、一気に飲んで立ち上がった。今夜でしばらく親猫の寝顔も見れないから、それを惜しむつもりらしい。
「明日、ちゃんとママに挨拶して行け。それは、親子でも礼儀だ。」
「ああ。」
部屋を出る刹那の背中に、坊主の声がかかる。廊下を歩く音がして、次に襖を開閉する音がした。けっと吐き出して、坊主は静かに頬を歪めた
作品名:こらぼでほすと 襲撃9 作家名:篠義