What's about my star?
何のつもりだ?そう尋ねきるまえにアルトより幾分背の高いシエルの顔がぐっと近づいてきて、アルトの耳にシエルの唇がつくのではないかと思うほどの耳元でそう囁かれた。
それがやけに色っぽくてアルトの背筋がぞくぞくと震えた。
「っいたっ!!」
が、それも束の間次は耳に激痛を感じてアルトは悲鳴を上げていた。
「何赤くなってんだよ。」
「煩いっ!離せよ、痛いって!」
アルトの左耳が赤くなるほどひっぱるとシエルは満足したのかすっとアルトから体を離し背を向け歩き出す。
ひりひりと痛む左耳をさすり、ステージに向かう階段を下りるシエルの背中を見つめながらアルトは銀河の帝王が帝王たる所以に納得していた。
(むちゃくちゃな奴だけど、確かにホンモノだ。)
階段を5段ほど下りたところでシエルのネイビーブルーの瞳がアルトをとらえた。
「…まだ何かあるのかよ?」
また何か怒られるか、からかわれるのだろうかと思うとむっとした。
しかしシエルはアルトの予想に反して微笑んでいた。
「”素人が中途半端な真似したら許さない”って言ったけど、お前は俺を必死で助けようとしてくれたよな?お前もちゃんとプロとして仕事してたよ。」
そこまで言うと何故かシエルは少し口ごもりそれまでアルトをとらえていたシエルの瞳が少し宙をさ迷って、軍帽のつばでその瞳を隠した。
「ぁ、ありがとな。」
そしてひらりと身を返し、優雅に階段を再び歩み始めた。
「あ、おいっ!」
アルトには何も言う間を与えず、ネイビーの軍服をはためかせながら後ろ姿だけでシエルはアルトに手を振った。
「ホント、何なんだよアイツ。」
その姿を見送りながら早乙女アルトは胸に残る微妙な感情とともに悪態をついた。
the end...
/あとがき
ついにやってしまいました。
シェリ男ネタ!
友達に言われて気づいた、マクロスFの三角関係のもやもやはシェリルを男にすることでなくなるということに!!
そしてシェリ男のおいしさに゜∀゜!!
しかし大いに悪戦苦闘しました、”俺様のツンデレ攻め”。
そんな結果がこれですorz
けどシェリ男の妄想はとまらない!
作品名:What's about my star? 作家名:kokurou