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※トリップネタです。苦手な方はご注意下さい。

 ・33歳成歩堂が15歳王泥喜の所へトリップ
 ・15歳王泥喜不良説を採用
 ・何かおかしな所があっても完璧スルー、もしくは脳内完全修正

以上を踏まえた上でお読み下さいませ。










 トンネルを潜った先は別世界だった。詳しくは知らないが、そんな話を聞いた事がある。
 そして現在進行形で、それを体感している。
 此処は一体、何処なのだろう。―――僕は何故、此処にいる?




 今日も変わり映えしない一日の筈だった。常日頃と変わらずソファでゴロリと横になり、それを見咎めた矢鱈と声のデカイ新米弁護士が掃除の邪魔だと喚き立て、追い立てられる様に事務所を出たのがつい先程。暇潰しになる様なものもなく、特に目的もなくぶらりと辺りを歩き回って―――いた、筈だった。
 違和感を覚えたのは、最早勘に近い。妙に胸がざわついて辺りを見渡すも、見慣れた景色が広がるばかりで、何の変化も無かった。否、だからこそ違和を感じた。
 自らの記憶と違わぬ現状。もう一度周りを見渡して、ふと目に入った行きつけのコンビニの店員に、思わず眉を顰める。見知らぬ店員だった。
 このコンビニは事務所近くにあるのもあって、かなりの頻度で利用している。お陰で店員の顔も大体覚えているし――多分それは向こうも同じだろうけれど――新人なら直ぐにそれと分かる。
 そこまで考えて、ぶるりと頭を振る。違う、彼はどこかで見た事がある。でも思い出せない。
 何となく釈然としなくて、徐に店内に入る。いらっしゃいませー、とどこか間延びしたその声は、矢張り聞き覚えがあった。けれど何時どこでなのかは依然として思い出せない。
 そうして入ったは良いけれども何もする事がない僕は、雑誌を読む振りをしながらその店員を観察する事にした。
 取り敢えず目に付いた雑誌をよく確かめもせず手に取る。表紙を見ると法律の雑誌だった。偶然なのか無意識の内のチョイスなのか、その選択に苦い笑みが零れる。
 それを戻すのも面倒臭いし、そもそもの目的はあの店員を思い出す事であるのだから、別にこれでも支障はない。
 妙な感傷に浸るほどの執着も持ち合わせていない僕は、そのまま雑誌を捲る事にした。そうしてパラリと開いたページに、今度こそ度肝を抜かれる。
 そこには青いスーツを身に纏った、昔の僕が、居た。
 雑誌の閉じて裏表紙に書かれている日付を確認する。なるほど道理で、あの店員に見覚えがある筈だ。――良くは覚えていないけれど。

作品名:3315 作家名:真赭